ブックマーク / www.natureasia.com (9)

  • 化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れ | Nature | Nature Portfolio

    生命の化学的起源に関係のある分子が、火山や地熱系に見られる岩の割れ目を通る熱流によって精製され得ることが実験室実験で明らかになった。このことを報告する論文が、Natureに掲載される。今回の研究から、生命の最初の構成要素が複雑な化学混合物からどのように形成されたかについての説明が得られた。 生体高分子とその成分の形成は、初期地球における生命の起源の重要な瞬間だった。しかし、そうした経路を実験室内で再現するのは困難で、多くの場合、これらの複雑な反応から数多くの副産物が生じる。このことは、生物を構成する生体関連物質が無視できる程度に少ないことを意味する。こうした要素を精製する方法を考案しようとするこれまでの試みでは、一度に広範囲の分子を単離することができず、方法の特異性に限界があった。 今回、Christof Mastらは、地質学的な発想によって作られた、微小な亀裂(厚さ170マイクロメートル

    化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れ | Nature | Nature Portfolio
  • 統計学の大物学者がP値の刷新を提案 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

    新発見の統計的有意性を評価するために、科学者が好んで用いるP値の閾値は0.05から0.005に引き下げるべきであると、統計学の大家たちは主張する。 Credit: Wittayayut/iStock / Getty Images Plus/Getty 今日の科学は「再現性の危機」に苦しんでいて、研究者も助成機関も出版社も、学術文献は信頼できない結果にまみれているのではないかと不安を募らせている。このほど72人の著名な研究者が、新たな発見をしたと主張する際の証拠の統計的基準の低さが再現性の危機の一因になっているとする論文を発表した。 多くの研究分野では、発見の有意性はP値によって判断される。P値は、帰無仮説(一般に、検定される効果が存在しないと仮定する)が成立する確率で、仮説の検定を行う際に、仮説を棄却するために用いられる「有意水準」である。一連の結果について、P値が小さいほど、そのような結

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  • 保全:自由に歩き回るイエネコが野生動物種に壊滅的な被害をもたらしている | Nature Communications | Nature Portfolio

    全世界で自由に歩き回るイエネコの餌になった動物(鳥類、哺乳類、昆虫類、爬虫類など)は2000種を超えており、そのうち約350種に保全上の懸念があることを報告する論文が、Nature Communicationsに掲載される。この知見は、自由に歩き回るイエネコが生態系に及ぼしている影響についての理解を深め、管理上の解決策の構築に役立つ可能性がある。 イエネコ(飼い主がいる個体といない個体)は、9000年以上前に家畜化されて以来、世界中に広がり、現在では南極を除く全ての大陸に分布している。イエネコは生態系に非常に大きな影響を及ぼす広性捕者であることが知られているが、その餌の範囲の広さについては、これまで地球全体の規模で定量化されていなかった。 今回、Christopher Lepczykらは、自由に歩き回るイエネコ(屋外に出られるネコで飼い主の有無を問わない)が消費する動物種の科学的記

    保全:自由に歩き回るイエネコが野生動物種に壊滅的な被害をもたらしている | Nature Communications | Nature Portfolio
  • mRNAワクチン完成までの長く曲がりくねった道 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

    今回のコロナ禍で大きく飛躍したmRNAワクチンの研究は、実は、何十年も前から、数百人の科学者によって進められてきた。 ファイザー社/ビオンテック社が開発したCOVID ワクチンの塩基配列。Ψはウリジン(U)ヌクレオチドを修飾したプソイドウリジン。 Credit: NIK SPENCER/NATURE 1987年末、ソーク生物学研究所(米国カリフォルニア州ラホヤ)の大学院生だったRobert Maloneは、メッセンジャーRNA(mRNA)鎖を脂肪滴と混ぜ合わせて「遺伝子ごちゃ混ぜ」スープを作り、そこにヒト細胞を浸した。すると、細胞はmRNAを取り込み、それに基づいてタンパク質を産生し始めた1。 自分の発見が医学にとって大きな可能性を秘めていることに気付いたMaloneは、後でこのことをメモし、署名と日付を入れた。1988年1月11日のメモには、細胞内にmRNAを送達し、細胞がこのmRNAか

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  • 言語学:トランスユーラシア語族のルーツは農業にあった | Nature | Nature Portfolio

    トランスユーラシア語族(日語、韓国語、ツングース語、モンゴル語、チュルク語からなる)は、約9000年前の中国に起源があり、その普及は農業によって促進された可能性があることを明らかにした論文が、Nature に掲載される。今回の研究は、東ユーラシア言語史における重要な時期について解明を進める上で役立つ。 トランスユーラシア語族は、東は日韓国、シベリアから西はトルコに至るユーラシア大陸全域に広範に分布しているが、この語族の起源と普及については、人口の分散、農業の拡大、言語の分散のそれぞれが議論を複雑化させ、激しい論争になっている。 今回、Martine Robbeetsたちは、3つの研究分野(歴史言語学、古代DNA研究、考古学)を結集して、トランスユーラシア語族の言語が約9000年前の中国北東部の遼河流域の初期のキビ農家まで辿れることを明らかにした。その後、農民たちが北東アジア全体に移動

    言語学:トランスユーラシア語族のルーツは農業にあった | Nature | Nature Portfolio
  • 科学を変えた10のコンピューターコード | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

    Fortranからプレプリントアーカイブまで、プログラミングとプラットフォームの進歩は、生物学、気候科学、物理学を新たな高みへと導いた。 2019年、イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)のチームは、ブラックホールの実際の姿を初めて世界に見せてくれた。彼らが発表したリング状に輝く天体の画像は、従来の写真とは違い、計算によって得られたものだ。具体的には、米国、メキシコ、チリ、スペイン、南極点の電波望遠鏡が捉えたデータを数学的に変換することによって得られたのだ1。研究チームは、その知見を記載する論文とともに、ブラックホールの撮影に用いたプログラミングコードも公開した。科学コミュニティーが自分たちのやり方を確認し、それを足場にできるようにするためである。 このようなパターンは、ますます一般的になりつつある。天文学から動物学まで、現代のあらゆる偉大な科学的発見の背後にはコンピューターがある。

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  • アルコールはマウスの脳で直接代謝される | Nature Metabolism | Nature Portfolio

    マウスにおいて、アルコール中毒が行動に及ぼす影響は、肝臓ではなく脳で生成されるアルコール分解物(代謝物)が原因である可能性があることを報告する論文が、Nature Metabolism に掲載される。この知見は、アルコールが脳にどのように影響するかを知る新たな手掛かりをもたらすとともに、アルコールが行動に及ぼす影響をよりよく制御する道を開く可能性がある。 運動障害など、アルコールがヒトやマウスの行動に与える影響は、アルコールの分解の際に生じる代謝物が原因と考えられている。そうした代謝物の1つである酢酸塩は、肝臓に多く存在するALDH2という酵素によって生成される。肝臓で生成された酢酸塩は、血流に乗って脳へと移動し、そこで抑制性の神経伝達物質であるGABAを介したシグナル伝達によって運動機能を障害する。 今回、Li Zhangたちの研究チームは、3つのヒトの脳試料と11匹のマウスを調べ、AL

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  • 物理学:水素化物の室温超伝導 | Nature | Nature Portfolio

    水素化物(水素を豊富に含む化合物で、有機物成分に由来する)に高い圧力をかけたところ、室温での超伝導が観測されたことを報告する論文が、今週、Nature に掲載される。今回の発見は、完全に効率的な電気システムを作るという宿願の実現に向けた一歩となる。 超伝導とは、電気エネルギーが抵抗なく物質中を移動する現象である。超伝導効果は最初、絶対零度に近い温度で観測された。室温での超伝導が実現すれば、熱の発生が最小限に抑えられて、導電体と電気デバイスの効率が高くなる可能性がある。 高圧力下の水素に富んだ材料は、実証可能な超伝導温度が他の材料よりも高く、摂氏マイナス23度程度であることが明らかになっている。今回、Ranga Diasたちの研究チームは、電気抵抗ゼロの超伝導状態が達成される温度を摂氏15度まで引き上げた。この超伝導効果は、光化学的に合成される炭素質水素化硫黄の三元系において、267ギガパス

    物理学:水素化物の室温超伝導 | Nature | Nature Portfolio
  • アルカリ金属の爆発の秘密が明らかに | Nature ダイジェスト | Nature Research

    アルカリ金属を水に入れると派手に爆発する。化学の授業でおなじみのこの実験の反応機構が、実は長く誤解されてきたことが、ハイスピードカメラを使った研究で判明した。 ナトリウム‐カリウム合金の液滴が水中に落下する様子。左側は水面を斜め上から、右側は水面を斜め下から捉えた画像。金属液滴が水面に触れた直後、超高速でスパイクが形成されている様子が見て取れる。また、スパイクが成長していく過程では液滴周囲の溶液が青紫色に変化している。 Ref.1 金属ナトリウムや金属カリウムの塊を水中に投げ入れ、爆発を眺める。化学を使った悪ふざけの定番ともいえるこの爆発反応は、アルカリ金属の高い反応性を説明する実験として、何世代にもわたり化学を学ぶ学生たちを驚嘆させてきた。ところが今回、これまで単純明快とされてきたその反応機構の裏に、一連の興味深いプロセスが隠されていたことが明らかになった1。 アルカリ金属が水と接触して

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