ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/mutsuji (5)

  • 岸田政権が資金を多く提供した上位5カ国はどこか──「バラまき外交」批判を考える

    ウクライナのゼレンスキー大統領と会談した岸田文雄首相(2023年3月21日、キーウ) paparazzza-Shutterstock ・2023年に日政府が提供した資金のうち「あげた」のは10%程度で、政府歳出の0.2%ほどしかない。 ・外国に提供した資金の大半は貸付つまりローンで、相手国は利子をつけて日に返済することになるため、少なくとも「バラまき」とは呼べない。 ・さらに、2023年の日政府による資金提供を国別にみると、その上位5カ国には日へのリターンが期待される国が多く、この意味でも単なる浪費といえない。 岸田政権を擁護するつもりはないが 物価上昇は続き、一方で多くの業種・職種ではそれに見合うほど給与が増えない。それでも増税論議は活発で、おまけに自民党の「パー券」問題の結末に多くの人は納得していない。 こうしたなかで岸田政権が海外への資金協力を増やすことには、SNSを中心に批

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  • 「愛される中国」を目指す習近平の焦り──「中国が理解されていない」

    ・習近平国家主席は共産党幹部に、中国について国際的な理解を得られるよう、もっと努力することを指示した。 ・そこには、トラブルを抱えた外国政府を非難罵倒するこれまでのやり方が逆効果という見方が共産党内部にも広がっていることがある。 ・その一方で、「中国が理解されていない」という焦りは歴代政権が抱えてきたもので、習近平を待ち受けるハードルは高い。 中国の習近平主席は5月31日、共産党の最高意思決定機関、中央委員会政治局で、中国の国際的イメージの向上を厳命した。 国営の新華社通信によると、その主な内容は、 ・コミュニケーション手段(マスメディアやSNSなどを指すと思われる)を発達させ、中国に関する国際的な言説に、中国の声を届かせること。 ・中国共産党中国人民の幸福のみを追求していることを海外に広く知らしめること。 ・中国の活動を説明できる、中国自身の言説やナラティブを育成すること。 ・信頼され

    「愛される中国」を目指す習近平の焦り──「中国が理解されていない」
  • 大統領選後の暴動・内乱を警戒する今のアメリカは途上国に近い

    ・「大統領選挙の結果次第で大規模な暴動や内乱が発生するかもしれない」と懸念されること自体、アメリカが途上国化していることを示す ・途上国では「選挙をめぐる暴力」が珍しくなく、とりわけアフリカの選挙では約10分の1で大規模な衝突が発生し、約4分の1で死者が出ている ・途上国で選挙をめぐる暴力が多い背景には、「一つの国民」としての意識の薄さ、「勝てば官軍」の思考の強さ、そして国家や選挙といった制度そのものへの不信感があげられ、これらは今のアメリカにも通じる 民主主義の最先端を自負してきたアメリカは、今や途上国に近づいている。大統領選挙をめぐって高まる「選挙をめぐる暴力」への懸念は、貧困国ではむしろ珍しくないからだ。 内乱への危機感 「結果次第では暴動や内乱になるかもしれない」という観測は、アメリカ大統領選挙をかつてない緊張感に包んでいる。そのきっかけは、「郵便投票は不正」と主張するトランプ大統

    大統領選後の暴動・内乱を警戒する今のアメリカは途上国に近い
  • 新型コロナ、若者ばかりが責められて「中高年」の問題行動が責められないのはなぜか

    ・外出自粛などに関して行政やメディアが「若者」に特にフォーカスするのは不公平である ・これまで問題行動をとった人には中高年が目立ったが、それらが「中高年」という属性で語られることはなかった ・行政やメディアが主な「顧客」である中高年に緩いことは、世代間の不毛な争いを煽るものである 「若者」にターゲットを絞って外出自粛を呼びかけるのはバランスを欠いているだけでなく、発言力の小さい者の属性を強調するという意味で不公平と言わざるを得ない。 「若者」に特化することへの違和感 コロナをめぐる外出自粛で「自主隔離をしない無神経な若者」のイメージが流布している。 小池都知事は週末の外出自粛を呼びかける記者会見で、特に体力のある若者が無自覚のまま感染を拡大させている懸念があると発言した。メディアでも28日、「外出自粛のはずの下北沢や渋谷を闊歩する若者」が報じられた。 早稲田大学の卒業式後に卒業生らが繁華街

    新型コロナ、若者ばかりが責められて「中高年」の問題行動が責められないのはなぜか
  • メイ首相辞任でイギリスの凋落が始まった

    昨年11月、EU離脱をめぐって閣僚辞任が相次ぎ、落胆を見せたメイ首相 Matt Dunham/REUTERS ・メイ首相が昨年11月にEUと交わした離脱条件は、イギリスが今の立場で望める最大限の利益を確保するという意味で、現実的だったといえる ・しかし、それぞれの主張を全く譲ろうとしない離脱派と残留派の挟撃は、メイ首相を辞任に追いやった ・党派的イデオロギーが合理的な妥協をはねつける状況は、民主主義の模範とみなされてきたイギリスの凋落を物語る メイ首相の辞任はEU離脱をめぐる混乱だけでなく、「民主主義の模範」とみなされてきたイギリスの凋落を象徴する。そこには「国民が主人公」という有権者の「有力感」に潜む落とし穴を見出せる。 「合意なき離脱」へのキックオフか イギリスのメイ首相は5月24日、6月7日をもって与党・保守党の党首を辞任すると発表した。 メイ首相の辞任は、来4月12日が期限だった

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