「僕は昔から、インターネットで空気なんか読まずにえらそうなことを言ったら、言いっぱなしにせずに意地でも自分は発言に沿えるようにしてきたつもりだ。そうでないと、自分の言ったことを裏切ることになる。だから僕はやらねばならない。もう、絶対に、意地でも、やるのだ」−−『Hang Reviewers High / RE:EV』より 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』という作品について正面から論じたマスメディアは、実はこれまで一つもない。「そんなことはない、キャラクターが表紙を飾って大々的に特集した雑誌がいくつもあったではないか」と本屋の賑わいを振り返る人もいるだろうが、それらはすべて宣伝/紹介であって、送り手側の「こう見せたい」という意図そのままを垂れ流しているにすぎない。『ヱヴァ』がどういう物語なのかを自らの言葉で説明し、それについて論じ、批評的判断を下したメディアを一つでも思いだせたら教えて欲しい。