はじめに 日本は国土の75%が森林であり、木材の生産国であった。しかし産業の国際化により国内の木材資源が有効に活用されていない。地球環境問題を考えると、木は大気中の二酸化炭素を固定化するものであり、循環型の資源である。もっと木材資源を活用しなければならない。しかし耐火・防災という点からこの50年間、あまりにも木材資源を軽視してきたと言わざるを得ない。北欧の森林資源の豊かな国では30年ほど前より、木製遊具の開発が進み、アジアにも多く輸出している。昨今、保育園等に木製遊具が設置される気運がでてきたことは、日本のような森林資源の国としては極めて喜ばしいことである。本稿は幼児におけるあそび環境の意味から、そのあそび道具としての木製遊具の可能性を考察し、さらに筆者がデザインした木製遊具の事例を述べることとする。 幼児のための屋外のあそび環境 日本の子どもを取り巻く環境はこの50年間で悪化している