とある村に、タヌキとキツネが住んでいました。二人は商売人で、村のみんなは半分はキツネの店を、半分はタヌキの店を利用していました。 ある時、キツネは考えました。 「タヌキよりぼくのほうが真面目に仕事をしているはずなのに、村のシェアが半々なのはおかしい。ここはひとつキャンペーンをうって、ぼくのほうが商売人として立派だとみんなに知ってもらおう」 キツネはいっしょうけんめい頭をひねって、キャンペーンのアイデアを考えました。結果、このようなものができました。 「アリとキリギリスの寓話はみんなよく知っていると思います。キツネは、こつこつ、みんなのために働いています。タヌキは、仲のいい人とおしゃべりしたり、お酒を飲んで暮らしています。どちらが商売人として立派でしょうか?」 キツネは、この文面がはいったチラシを村中に配りました。 確かに、キツネはこつこつと物を仕入れては売り、少し無愛想だけれど、品揃えもよ