新型コロナウイルス・ゲノム疫学解析によるクラスター対策 2019年末の中国・武漢市で初めて確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2020年1月に国内で初めて感染者が確認された。その後、現在まで地域的な感染クラスター(集団)とその集合体による複数回の感染ピークを生じている。自治体の積極的疫学調査を支援すべく、SARS-CoV-2(一本鎖プラス鎖RNAウイルス、全長29.9 kb)のゲノム配列を確定し、感染クラスターに特有な遺伝子情報およびクラスター間の共通性を解析している。これまでに3回にわたってゲノム情報が示す国内伝播の状況を概説してきた(2020年4月27日1)、2020年8月6日2)、2020年12月11日3))。また、日本国内4,5)、ダイヤモンド・プリセンス号の乗員乗客6)、空港検疫所の陽性検体7)より確定されたSARS-CoV-2ゲノム配列の解析については学術誌