ドイモイ(刷新)政策による経済成長を謳歌するベトナム。2006年、同国のグエン・タン・ズン首相と日本の安倍晋三首相の相互訪問を機に、両国は「戦略的パートナーシップ」を構築することを発表した。経済交流が加速し、両国の関係強化は着々と進んでいる。 近い過去を振り返れば第二次世界大戦に先立ち、通称「仏印進駐」を行い、日本はこのベトナムにも軍を進めていた。そして戦後、隣国中国と同じく共産党一党独裁の体制となった。だが現在ベトナムにおいては、中国や韓国のようなヒステリックな反日運動が起こったり、「歴史認識」が取りざたされたりすることはきわめて稀だ。 日本軍の仏印(ベトナム)進駐とその結果は、これまでに日本国内で「日本軍によるベトナムにおける200万人餓死」なる事件により、批判にさらされることがあった。これは、駐屯する日本軍が米を徴発したことを主な原因として、200万人ものベトナム民衆が餓死したと