『林真須美の謎―ヒ素カレー・高額保険金詐取事件を追って』(ネスコ) ――ビデオジャーナリストと社会学者が紡ぐ、ネットの新境地 [今月のゲスト] 河合潤[京都大学大学院工学研究科教授] ――1998年7月、和歌山県和歌山市園部地区で行われた夏祭りで、振る舞われたカレーに毒物が混入する事件が発生、死者4人、中毒者63人を出すという惨事となった。この事件の容疑者として逮捕された林真須美被告の死刑が確定するも、いまだ捜査には疑問が残り、事件の全容解明には至っていない――。 『和歌山カレー事件』の経緯 1998年7月、和歌山県和歌山市園部地区で行われた夏祭りにおいて、炊き出しに出たカレーに毒物が混入、4人が死亡、63人が急性ヒ素中毒になる事件が発生。 同年10月、林健治・真須美夫妻が、保険金詐欺事件で逮捕され、12月、真須美被告がカレー事件で再逮捕。 99年5月の一審初公判で、真須美被告は容疑を否認