『時をかける少女』で注目を集めた細田守監督の最新作『サマーウォーズ』は、ネット上の仮想都市OZを通じて世界を混乱に陥れる敵に、長野の旧家の大家族が立ち向かっていくエンタテイメント作品。そのOZを描く際に細田監督が参考としたのが、日本最大級のソーシャル・ネットワーキング・サービスであるmixiだ。同社の社長でネットサービスの最先端をいく笠原健治社長と、アニメの最先端をいく細田監督の対談が実現した。 自らもmixiユーザーである細田監督が、OZに託したものとは?そして笠原社長と本作には、長野に野球にIT、そしてお婆ちゃんと、 不思議と重なるキーワードがあった!? 笠原 『サマーウォーズ』、とても面白かったです。いろんな面白さがあったんですが、両極端なネットの超最先端と田舎の大家族が描かれていて、そこが非常に面白いなと思いました。ただやっぱりどうしても自分の仕事と言うか、普段携わっているネ
ハリー・ポッター最新作など3次元(3D)技術を駆使した映画が増えている。従来の平面ではなく、立体で見える映像に消費者の反応も良好だ。映画の普及に合わせ、ブルーレイなど家庭用機器の3D対応も進み始めた。 二重にぶれた見にくい映像も、専用のメガネを着けて見ると、あら不思議。目の前には、宇宙空間を流れる隕石が、今にも当たりそうに迫ってくる。平面ではなく立体で見える3次元(3D)の映像なので、その迫力もひとしおだ。 これは今年7月中旬に日本で公開された「モンスターVSエイリアン」(配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン)の1場面だ。宇宙から地球を侵略しに来るエイリアンと、人類の味方になった5種類のモンスターが戦うこのアニメ映画。ユニークなのは、そのストーリーやキャラクターだけでない。通常の2次元(2D)映像以外に、全編3D映像で見られるバージョンも用意されていることだ。 映画業界は、今年を「3
「懐は いつなく寒い 夏の日々」 今年の夏季賞与は、軒並みダウンの状況だ。 日本経済団体連合会が東証一部に上場する主要21業種、253社に対して行った調査では、支給額の総平均(加重平均)は75万3348円、対前年同期比18.3%の減(6月25日発表)。回答があったすべての業種でマイナスとなっている。 財団法人 労務行政研究所が東証一部上場140社に行った調査でも全産業平均の支給額は64万8149円と対前年同期比で14.4%のマイナス。こちらの調査でもほとんどすべての業種が“敗北”の状況だ。 今年の夏休みは「安近短」で済まさざるを得ない社会人が増えそうだ。そんな安近短族にとって、手軽に楽しめる“アトラクション”の1つになりそうなのが、映画界が今年から力を入れる3次元(3D)映画だ。 観客は、みなメガネ 「うわー!!」。 こちらに向かってぶつかりそうな勢いで飛んできたボールがゴムでラケットに引
2002年の11月から2008年の年末まで、私は「読売ウィークリー」という週刊誌で、6年間にわたってテレビ批評コラムを連載していた。 というよりも、当コーナー自体、「読売ウィークリー」の休刊を機に始まったもので、この仕事に取り組む以前、私は、毎週、テレビについてなにごとかを書いていたのである。 仕事場を変えて以来半年、私は、ウソみたいにテレビを見なくなった。 なるほど。 もともと、たいして好きだったわけでもないのだな。 別の言い方で言えば、私は、去年までの6年間、もっぱら難癖をつけるためにテレビを見ていたわけで、そう思ってみると、あの連載が終わったのは、正解だったのかもしれない。 好きでもないものの欠点をあげつらう仕事を6年も続けることは、健康に良くない。 仮に私が、テレビ現場に関係のある人間で、テレビについて改革の意欲なりプランなりを持っていたのなら、批判を繰り返す意味も若干はあったと思
クリント・イーストウッドの主演・監督映画の最新作「グラン・トリノ(Gran Torino)」の日本でのロードショーが4月下旬に始まり、映画館に見に行った。ため息をつくほど、しびれた。 良くも悪しくも、映画にはその時代を代表するような作品があり、世間の雰囲気、思潮を鋭く反映している。ずっとアメリカ映画を見続けている私には、過去10年間で右から左へ、驕りから自戒、そして再生へと向かう流れを感じる。ちょっと振り返ってみよう。 アメリカの驕り、「絶対悪vs.絶対正義」 1996年のアメリカSF映画「インデペンデンス・デイ(Independence Day)」は、地球に襲来した異星人の侵略に対して、かつて空軍の戦闘機パイロットだったアメリカ大統領自らが戦闘機に乗り、戦闘機部隊を指揮して戦う物語だ。映画の最後に異星人撃退を果たした日を「ニュー・インデペンデンス・デイ」として祝う。 この構図は、「絶対悪
2009年5月22日(金) 「彼女に会ったんだ、ぼくの天使に」 〜第30回:愛の嵐 THE NIGHT PORTER 「でも、彼女に訴えられる前に始末しないとね」 降旗 学 【プロフィール】 ウィーン ナチス 映画 戦犯 1/5ページ 舞台は1957年のウィーン。 マックスは、オペルホテルでナイトポーターを勤めている。夜勤玄関番と訳されるが、夜間専門のフロント係だ。演じているのは「ベニスに死す」や「遠すぎた橋」に出演のダーク・ボガード。 オペルホテルの造りは古く、一見したところでは正統なホテルだが、ここにはマックスと関わりのある人たちが客として投宿している。そのひとりが、有閑マダムとおぼしき中年女性。かつてはマックスと愛人関係にあった夫人だ。住居代わりに長逗留しているらしいが、夜更けに呼び出してはマックスを閉口させる。 「寒気がするの、マックス。風邪薬なんかじゃダメよ……、
「蝉しぐれ」は爽やかに青春を描いたラブストーリーで、父と息子の物語にしても、他の作品でこれほどきっちり書かれたものはありませんでした。先の読めない物語構成は上質のエンターテインメントで、これは映画になると感じたんです。 登場人物たちが日本人は気高く、素晴らしいものなんだということを訴えてくる感じには、読んでいて喜びを感じ、日本人というものに希望を持ち、感動しました。ちょうどその頃、僕はオリジナルな時代劇を撮りたいと模索しているところだったこともあって、「ここに僕の時代劇がある」とはっきり思ったんです。 何度も断られました。手紙を書いても返事を頂けず、人づてに「自分は映像化するために小説を書いているのではありません。できれば、そっとしておいて欲しい」というようなことを聞かされるばかりでした。後で聞いた話ですが、僕のようなフリーの映画監督がもしも失敗したら、個人で大変な責務を負うのではないかと
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く