W杯の歴史を見てもエポック的な大会であったことは前回にも記した。 システムと戦術に関しては、ブラジルの形態について続きを解説したいと思う。 この頃のサッカー世界情勢は、それぞれの国のリーグでほぼ自国選手が登録される ことが多く、現在のようなチームとして欲しいスタイルの選手を地球規模で探す ようなことはあまり無かった。 故にその国々のスタイルが逆に育つ環境であったと思う。 ブラジルの流動的攻撃スタイルの続きとイタリアの主に守備について話を進めたい。 1.ブラジルの攻撃 このW杯のブラジルの攻撃力はすさまじく、予選から決勝戦まで引き分けのない 全試合全勝の完全優勝であった。これは今までこのブラジルチームのみが成し得た とてつもない記録である。ブラジルの豊富なタレントは、ペレを筆頭にトスタン、 リベリーノ、ジャイルジーニョ、ジェルソン、クロドアルドなどエース級が ずらりと揃っていた。フリーキック