山本周五郎らの著名人の手書きの原稿や手紙を展示する新収蔵品展「手書きの魅力」が、甲府市貢川1丁目の県立文学館で開かれている。割腹自殺した三島由紀夫(1925~70)が、亡くなる6日前に書いた手紙も公開されている。 手紙は、三島が学習院高等科文芸部の先輩だった坊城俊民さん(国文学者、1917~90)に宛てたもので、三島が東京・市谷の陸上自衛隊東部方面総監部で自殺を図る6日前の11月19日付。 その中で三島は、坊城さんと頻繁に手紙のやり取りをしていた「十四、五歳のころが小生の黄金時代」と振り返り、手紙を書いたその日にした剣道の稽古について、「これが小生の唯一の鎮魂なのだと思ひます」などと書いている。