このコラムでは、マンガ『天幕のジャードゥーガル』の舞台となった地の歴史や文化を毎月連載で解説してきました。 この数か月は趣向を変えて、『天幕のジャードゥーガル』読者のモンゴル帝国史研究者の方々に、マンガで描かれた歴史上の出来事や人物像に対する感想、また元ネタや結末を知った上での楽しみ方についてインタビューしていきたいと思います。第2回は白石典之(しらいし のりゆき)氏にお願いしました。お引き受けくださり、誠にありがとうございます。 ――ご所属と研究テーマを教えてください。 新潟大学人文学部の白石典之と申します(詳しくはこちら)。専門はモンゴル考古学です。チンギス・カンの時代(13世紀初め頃)にモンゴル高原にいた人々の暮らしを復元し、そのなかから、チンギスがなぜ強大化し、モンゴル帝国という大きな国をつくることができたのか、そのメカニズムを解明しようというのが、研究の大きなテーマになります。