「官邸スタッフは『総理室の一部が突っ走った。あれは失敗』と振り返る」――新型コロナ対応民間臨時調査会(小林喜光委員長)が10月に刊行した「調査・検証報告書」の一節だ。 「政府の国民への最初の支援が布マスク2枚、といった印象を国民に与えた。政策コミュニケーションとしては問題の多い施策だった」 コロナウイルス感染防止を目的に布製マスクの全戸配布を試みた、いわゆるアベノマスクの政策について、報告書は厳しい評価を下している。 厚生労働省マスク班によれば、アベノマスク事業に費やした公金は、全戸配布分が約260億円(予算約466億円)、介護施設用約247億円(同504億円)にのぼる。締めて500億円を超す。 配布されたマスクはすべて中国やベトナムからの輸入品で、調達については11業者が計318億円で受注している。10億円以上の契約をした業者は4社。 興和140億円、マツオカコーポレーション63.8億円