『シーラという子 虐待されたある少女の物語』トリイ・ヘイデン 入江真佐子/訳 ★★ ハヤカワ文庫 2021.1.31読了 新版ということで書店に並んでいたが、過去にベストセラーになったノンフィクションだ。ネットで調べてみると、昔刊行された本のジャケットは確かに記憶にある。いま読み終えて、これはこの先ずっと残さなくてはいけない作品だと強く思った。 著者のトリイ・ヘンデンさんが「くず学級」(色々な障害を持つ子を分類するが、その分類に漏れた行き場のない子のクラス)で実際に教えた子供のうち、シーラという少女と過ごした約7ヶ月の記録である。作中でシーラが体験したことは、同じ女性として胸が痛むし目を覆いたくなるほどだ。 6歳であるシーラは、3歳の男の子を焼き殺そうとした事件で、精神科病棟に行くよう判決が下りた。しかし小児科の空きがないため、一時的にトリイが預かることになる。6歳の子供がこんな事件を起こ