小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki松岡健三郎/アフロ●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo/AFLO 「(最終節の1試合前の)栃木ウーヴァFC戦がすべてだったと思います。勝てば4位以内が狙えた試合を(4-0で)落としてしまったわけで。あの夜は相当へこみましたね」 JFLのV・ファーレン長崎、3年目のシーズンを終えようとしている佐藤由紀彦は、そう言って悔しそうな表情を浮かべた。「(施設面などで昇格の条件を満たしていないため)今年、長崎はJリーグ昇格を諦めざるを得なかったので、優勝を目標にやってきました。もう意地ですよね。ベテランとしてチームを鼓舞することも求められていますから、”練習ははまっているか”を意識し、取り組み方にはこだわってきました。でも優勝がなくなり、栃木戦はせめてJリーグ昇格圏内の4位以内に入るため、絶対に落とせない試合だった