齋藤学のシュートが決まらない。29日に行なわれた明治安田生命J1リーグ第19節、前半と後半に1本ずつ、絶好の得点機会が訪れた。しかし、齋藤の今季初ゴールの前にはかつてのチームメートで、清水エスパルスの守護神・六反勇治が立ち塞がった。 天野純の勝ち越しゴールが決まった直後のことだった。齋藤自らがドリブルでエリア内に進入し、倒されて得たPK。中町公祐からボールを受け取り、スポットにセットする。「どういうキックが来るかなあ」と六反の頭をよぎった瞬間、齋藤は大きく息を吐いて走り出した。 「正直、最初の駆け引きでは負けたんです」と六反。「僕が先に動いて、ひざをついてしまった。でも、そこからもう一つ、体をジャンプすることができた」と齋藤の蹴ったボールに反応し、ひざをついた状態から上体を浮かせて、追加点のピンチを凌いだ。 さらに59分のカウンターの場面。天野、富樫敬真とつなぎ、富樫が潰されながら齋藤に折