著:東浩紀・桜坂洋 画:和田タカアキ 講談社MouRa*1東浩紀が未来世界を予測し、桜坂洋が小さな成熟のぶつかり合いを物語る2045年の未来学エンターテインメント。2週間おきの連載も、すでに6thターンが終わり、再開を待つ期間になっています。 この連載に対する桜坂洋の文章には特徴がないとの感想を読んで、ちょっと違和感を感じました。たぶん私は、すぐに見てとれる《クセ》や《味》といった文体を魅力に売るのが小説の本道である、という考え方に馴染めないんだと思います。超売れている村上春樹の文章だって《クセ》のない文だと思うんです。 桜坂洋の過去作の文体については、すでに分析が始まっていますので、私はギートステイトの文体について考えてみたいと思います。 確かに本作、いつもの桜坂文体とはちょっと違う印象を受けてました。物語に応じて適した文体を変えてくるのが桜坂洋の持ち味の一つですから、本作でも何かやって