氷室冴子は、80年代から90年代にかけて、中高生の少女たちに人気だった作家だ。集英社コバルト文庫でヒット作を連発したが、2008年6月6日に他界した。スピード感のある独特なラブストーリーに魅せられ、10代の頃に夢中になった人もいるだろう。 私も中学時代に熱中した1人だ。平安時代を舞台にした代表作『なんて素敵にジャパネスク』と出会い、歴史に興味を持った。大人になった今でも時折読み返すが、その魅力は色あせない。 パワフルで不器用な主人公たち 氷室作品で印象深いのは、パワフルで先入観にとらわれない主人公の少女たちだ。例えば、『なんて素敵にジャパネスク』の瑠璃姫は、宮廷に仇なす勢力の本陣に乗り込み、陰謀を暴く。幼馴染との幸せな結婚生活をつかむためだ。 普段は力強く活発な主人公たちも、恋愛となると、不器用でかわいらしい。1人称を用いた軽快でリズミカルな文章も、主人公たちの魅力を引き立てている。 つ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く