2000年にiモードで発表した『Deep Love』が月間300万アクセスを叩き出し、書籍シリーズは累計300万部を突破。「ケータイ小説」という新しいカルチャーを生み出したYoshiさんは、まさに時代の寵児となった。 現在57歳になったYoshiさんに、予備校講師から大ヒット作家になるまでの数奇な人生と、今の夢を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む) ◆◆◆
2000年にiモードで発表した『Deep Love』が月間300万アクセスを叩き出し、書籍シリーズは累計300万部を突破。「ケータイ小説」という新しいカルチャーを生み出したYoshiさんは、まさに時代の寵児となった。……が、2012年、突如すべての書籍を絶版にし、活動を停止。人気絶頂の中、忽然と姿を消した。 小説をほぼ読んだことがなかったというYoshiさんはなぜ「ケータイ小説」を生み出し、ムーブメントを起こすことができたのか。そして今は一体どこでなにをしているのか。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ ――よろしくお願いします。正直、本物のYoshiさんを目の前にして「わあ、ほんとにいたんだ」という気持ちです。 Yoshiさん(以降、Yoshi) 幻じゃないです。本当にいます(笑)。 ――ホームページのお写真ではヒゲがありましたけど、今はもう剃られてるんですね。 Yoshi あれは15
2019-2022年のウェブ小説書籍化② 日本のウェブ小説における有料販売の歴史、中国・韓国式有料課金モデル導入の夢|飯田一史 日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史 2010年代後半に日本にやってきた「北米型チャット小説」は、書籍化も有料サービス(新しいビジネスモデル)も軌道に乗らなかった。 では「中国・韓国型有料ウェブ小説」はどうだったか。その話に入る前に、ふたつの流れを確認しておく必要がある。 ひとつは日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史と作家への利益還元の潮流。 もうひとつは中国と韓国におけるウェブ小説市場の隆盛だ。このふたつの流れが合流したところで、日本における「中国・韓国型有料ウェブ小説」サービスは誕生した。 まずは前者からだ。「日本のウェブ小説は無料」というイメージが強い人も多いだろうが、すべてが無料で提供されてきたわけではない。 1997年6月に村上龍が書
2019-2022年のウェブ小説書籍化① 第二次ボカロ小説ブーム、ウェブ小説書籍化の歴史において一貫して重要なプレイヤーであり続けてきたスターツ出版の姿勢|飯田一史 2019年から2022年までの時期の流れをひとことで言えば、有料販売に力を入れた広義のウェブ小説投稿サービスの登場が相次いだが、いまだ成功した事例は登場していない、ということになる。 とはいえ、この間の動きは、ひとことに集約できないほど多様なものだ。それらを紹介しながら、なぜ日本では有料ウェブ小説がなかなか根付かないのか、一般文芸系ウェブ小説が成功する見込みはあるのか、といったことも考えていこう。 なろう系ラノベの動き、「やる夫スレ」の書籍化 2016年には出版社主催の公募小説新人賞とウェブ小説書籍化の比較がされ、後者の勢いが語られていた。それが2019年にはウェブ発の書籍に対する語りが「どうなんですかね」「出すぎちゃったから
イベントは参加者からの質問に答えていただく形式で、シナリオやコンテのみならず、ビジネスまわりやコンテ以降の制作に関するお話など盛りだくさんでしたので、前後編に分けさせていただきます。 前編は【原作】【シナリオ】に関するお話のまとめになります。 質問1:日本のライトノベルと韓国のウェブノベルの違いは?キャラクター設定が日本と韓国では最も異なると思っています。 日本では個人の幸せやスローライフを追及するキャラが非常に多い一方、韓国では自分の成功のために頑張るキャラクターが人気です。 そのため、日本でAというキャラクターが人気でも韓国ではBというキャラクターが人気になるケースが多々見受けられます。 最近の傾向でいうと、いまの韓国の男性は恋愛に夢を抱かない傾向にあるため、男性向けラブコメが流行りません(悲しいです…)。そのため、作品内でも恋愛に関する要素がほとんどありません。最近のキャラ分析をして
2016-2018年のウェブ小説書籍化④ 軌道に乗ったカクヨムと他出版社系投稿サイトとの違い、ウェブ小説に対する「語り」の変化|飯田一史 カクヨムと明暗を分けたピクシブ文芸、NOVEL DAYS、セルバンテス カクヨム以外にも2016年から2018年の間に出版社が投稿サイト運営に乗り出した例はあった。 たとえば幻冬舎とpixivが組んだ文芸小説投稿サイト「ピクシブ文芸」だ。これは2016年10月にスタートし、小説誌「小説幻冬」とのコラボレーションを行い、山形市で三浦しをんらを講師に小説講座を実施した。また、両社にテレビ朝日を加えて「ピクシブ文芸大賞」(2016年10月~2017年3月募集)を開催。pixivで行った小説コンテストの中でも史上最多の応募数となる3600以上の投稿を集め、大賞受賞作・小林大輝『Q&A』を書籍化、同作品はテレビ朝日系列にて2018年3月にTVドラマ化(ただし深夜帯
2016年から2018年にかけては、広い意味での一般文芸に含まれるSFと純文学でもウェブ小説書籍化の動きが見られた。ただ、SFはウェブ小説との折り合いを見つけられたのに対して、純文学は散発的な施行に終わった。「歴史」を事実ベースで辿るに留まらず、今回はその違いがなにゆえだったのかまで考えてみたい。 SF系ウェブ小説書籍化の一般化 前回挙げた北野勇作の100文字SFのように、2016年からはウェブ発のSF小説が書籍化されることが当たり前になっていく。 早川書房が主催する第4回「ハヤカワSFコンテスト」で優秀賞を受賞した吉田エン『世界の終わりの壁際で』と黒石迩守『ヒュレーの海』はウェブが初出の作品だった。 吉田は2014年ころから「小説家になろう」で執筆を開始。黒石は2010年頃から個人サイト「矛盾でふらぐ。」で、2011年末頃から「なろう」で活動を開始。両作品は「なろう」投稿作を元にしている
以前、韓国語でやったやつの中国編です。とりあえず「百度百科」のそれらしい項目をDeepLと百度翻訳で翻訳していこうと思います。 韓国編はこちら。 Web小説 网络小说_百度百科 現状 台湾 (中略) 台湾のWeb小説は「情色文学(訳注:情色=エロティック)」から始まった。大学生が独自に設置したネット掲示板のセックスコーナーで、その利用者が創作物を公開しはじめた。その後、学校の事情で個人向けプラットフォームに移されたが、この流れは多くの読者に影響を与え、彼らは創作に参加するようになっていった。「情色文学」とは言うものの、実際には感情描写が中心で、エロティックな描写はむしろあっさりしていた。 それから作品は「情色」の領域から脱し、痞子蔡の『第一次的親密接触』のように、キャンパスライフを記録した、爽やかな学園小説へと移行していった。 こうしてネット文学が芽生えはじめたのである。 现状 台湾 (中
異世界ものコンテンツに見られる長くて特殊なタイトルは今、冷凍食品やコンビニ商品にも浸透しつつある。その特徴は、「看板」の役割を果たすだけでなく、内容をも語り示す「透明性」にあるという。京都市立芸術大学特任講師の谷川嘉浩さんが論じる。 (『中央公論』2022年2月号より抜粋) 国民文学としての「異世界もの」? ゼネコン勤めの37歳独身男性の三上悟は通り魔に刺され、薄れゆく意識の中で無機質な声を聞く。次に意識を取り戻したとき、自分が異世界でスライムという魔物に生まれ変わっていることに気づいた。 カタリナは、家柄のよさと親の溺愛で高慢な少女となったが、転倒した際に現代社会で女子高生だったときの記憶を思い出し、今生きているのが、当時遊んだ乙女ゲームの世界であり、ゲーム内で破滅へと向かう悪役が自分であることを悟る。 それぞれ、2013年と14年に小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた『転生した
【全体ルール】 1.なろうデスゲームに参加していることを口外してはいけない。 2.期間は1ヶ月。好きなタイミングで投稿を始めて良い。 3.期間中10日ごとに結果の報告を行う必要がある。 4.順位の決定は評価ptを元に行い、執筆経験者/未経験者それぞれ上位8名が生存者として讃えられる。(生存人数は状況を考慮し増減の可能性あり) 5.小説家になろうのルールを遵守すること。 6.今回に限り参加人数を100人ではなく無制限とする。 【細かいルール】 1.小説家になろうメインサイト以外(例:ノクターンやムーンライト)で投稿しても構わない。ただし、「総合1位」以外の賞金の対象とならない。 2.デスゲームに参加していることを伏せていれば、別のサイトでの同時投稿や宣伝等をしても問題ない。 (詳細なルール) ■デスゲーム規約■ ★本企画に強制力はありませんので、企画途中でやめようが全く問題ありません。
小学生向けに広がるウェブ発小説 男性向けのエロライトノベルや女性向けのTL、BLでウェブ小説書籍化が本格化していく2015、2016年から、奇しくも小学生向けにもウェブ小説の書籍化が広がっていく。 「2011年のウェブ小説書籍化」で記したように、角川つばさ文庫でエブリスタ発の『オンライン!』が2011年に刊行されているが、児童文庫におけるウェブ小説書籍化が一般化するのは、双葉社ジュニア文庫が創刊タイトルのひとつとして『王様ゲーム』を掲げて創刊した2015年7月以降である。 双葉社ジュニア文庫はアニメやマンガのノベライズ、一般文芸のジュニア文庫版なども刊行しているが、双葉社が刊行してきたウェブ小説書籍化作品のジュニア文庫版が刊行ラインナップで大きな割合を占めている。 たとえば魔法のiらんど発のホラーである日高由香『ゴメンナサイ』を2016年7月、『カラダ探し』を2016年11月、『京都寺町三
いつでも他人の作った小説を読んだり、気軽に自作の小説を投稿できるのが魅力的なサイト「小説家になろう」。2004年より開設されて以来、多くの作品が「小説家になろう」に投稿されており、その人気が伺えます。恋愛やファンタジーといった王道のジャンルから、異世界転生系のようなトレンドのジャンルなど、幅広いジャンルを取り扱っているのも良さの1つでしょう。 最近では、サイト内で人気になった作品が単行本化や映画化、アニメ化などもしており、その知名度はますます伸びています。そこで、2022年の1月6日から1月13日の間に、ねとらぼ調査隊では「あなたが一番好きなアニメ化した『小説家になろう』発の作品は? 」というアンケートを実施しました。
――「Kindle」や「コミックシーモア」などの電子コミック書店の期間限定で読めるマンガの中には、必ずといっていいほど「異世界転生モノ」がある。ある一定以上の年齢からすると、どれも似たようなタイトルで、似たようなストーリーだが、なぜそんな内容でも売れているのだろうか? 昨今の異世界ブームの実態を探る。 『Re:ゼロから始める異世界生活』のラムのコスプレをする女性。(写真:Getty Images/Oran Tantapakul/EyeEm) 現実社会で暮らしていた人物がひょんなことから異世界に飛ばされ、超人的な能力を与えられたり、もともと持っていた知識を駆使して大活躍する……。『蜘蛛ですが、なにか?』【1】、『転生したらスライムだった件』【2】、『賢者の孫』【3】といった作品が代表的な、「異世界転生モノ」と呼ばれるタイプの物語は、ライトノベルやマンガ、アニメなどのコンテンツ市場で一大ジャン
なけなしの90円を貸し漫画に使った ──みちおさんはWeb小説が大好きと伺いました。まず、みちおさんがWeb小説を読むようになったきっかけから教えていただけますか? トム・ブラウン みちお 1984年12月29日生まれ、北海道札幌市出身 みちお 5年前くらいのある日、お金がなくて財布に90円しか入ってなくて。「何か食べないと」と思ったのに、なぜかTSUTAYAに入ってしまったんです。ふとマンガレンタルの棚を見たら、おすすめコーナーに『転生したらスライムだった件』があったんですよね。それを何も考えずに借りました。 ──なけなしの90円をマンガレンタルに。 みちお はい。そしたらめちゃくちゃおもしろくて。それが異世界転生モノとの出会いです。すぐ2巻を借りに行きたかったけど、もう財布の中は0円で、無理で……。調べてみて『転スラ』は投稿型のWeb小説サイトから生まれた作品だと知りまして。そこで、同
『なろう系はなぜ流行るのか?』こんなタイトルの記事をよく見る。それは俺がそのようなタイトルの記事を好んで読んでいるからかもしれない。べつに積極的に読もうとしているわけではないが、ニュースサイトからネットマガジンから、個人ブログから、twitter、note、まとめサイト、匿名掲示板、はてはyoutubeにいたるまで、なろう系についての言説を、暇なときによく観察している。そこではたいていの場合、なろう系は罵倒、侮蔑、見下され、そこまででもないにせよ、おおむね好意的な意見は少ない。しかしだからといって勘違いしてもらっては困るのだが、俺自身はなろう系は好きだ。 どういうことだと思われるかもしれない。俺は中学生の頃、自分の好きな漫画が、amazonのレビューでぼろくそにけなされているを見て、にやにやするような人間なのであり、その性質はある程度成長した今でも変わりはない。さすがにamazon星一レビ
Yahoo!ニュース オリジナル特集 掲載記念 魔法のiらんどの過去・現在・未来 魔法のiらんどの 過去・現在・未来 魔法のiらんどのホームページへようこそ! あなたは 人目のお客様です☆彡 アクセスカウンターは動きませんが、 キリ番を踏んだらツイッターで報告してね! はじめに 年表 今とこれから リンク集 魔法のiらんどはサービス開始から 21年以上が経ちました。 そんな魔法のiらんどが、先日 「Yahoo!ニュースオリジナル特集」の 取材を受ける幸運に恵まれました! これまでの変遷をもっと詳しく知りたいという方のために、 魔法のiらんどの過去・現在・未来をまとめてみました。 ~魔法のiらんど年表~ \ローンチ!当時はiモード向け!/ 1999年:魔法のiらんどサービス開始 \ケータイ小説ブーム!/ 2005年:「天使がくれたもの」書籍化 2006年:「恋空」書籍化 2007年:「恋空」
2014年&2015年のウェブ小説書籍化(後編)「人気に火がつく」状態から「ウェブ小説はよく売れる」という状況に変わった|飯田一史 ウェブ小説に参入した例外的な一般文芸の作家・石田衣良 (前編)で書いたような変化にもかかわらず、一般文芸の作家がウェブ小説に参入することは比率から見ればごくわずかだった。 ついでに言えば2014年6月にはNTTdocomoの電子雑誌サブスクリプションサービス「dマガジン」がスタートし、最盛期には300万人を超えるユーザー数を獲得したが、同サービスには文芸誌・小説誌はひとつも参入しなかった――出版社側が手を挙げなかったのか、話はしたもののdocomoから断られたのかは不明だが。 例外的にこのころ一般文芸作家がウェブ小説投稿サイト上で執筆して書籍化された作品として、2013年9月から2015年7月まで「E★エブリスタ」で連載され、2015年12月に講談社より刊行さ
絶賛されている誰かを見て落ち込む必要なんてない。 読者が多くても少なくても、読者ひとりひとりの価値は同じ。 作者が見るべきなのは、他の作者じゃなくて大切な読者。 ソナーズでは他の作者がもらっている評価は一切見えません。 作者同士に優劣を付けるようなランキングもありません。 だから他のサイトと比べると、「ないもの」ばかりです。 でもソナーズには読者を深く知るための機能があります。 それはきっと他のどのサイトにも、「ないもの」です。 ソナーズでもっと読者のこと、見てみませんか?
2014年&2015年のウェブ小説書籍化(前編)なろう系がラノベになり、ライト文芸にウェブ発が合流していった2年|飯田一史 なろう系作品のヒットによって大人の読者が顕著に目立つようになった 2014年と2015年はセットで見た方が傾向がつかみやすい。 ひとことで言えば「なろう系がラノベになり、ライト文芸にウェブ発が合流した」のがこの2年の動きだった。まとめてみていこう。 2014年には小峰書店の児童文学総合誌「日本児童文学」7・8月号で初めてライトノベル特集が組まれている。その中で榎本秋「児童文学好きのみなさんのための「ライトノベル」事始」は「「メインの読者ターゲット」を「中学生・高校生」として捉えた上で、そこに様々な事情がついてくるのがライトノベル」(36p)、「「中学生・高校生向け」という軸は変わらないだろう――それがライトノベルの今後に対する私の予測である」(45p)と書く。だがこの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く