メキシコ湾の深部にある氷状のメタンハイドレートが、海底下に埋まったメタンを閉じ込めている。(PHOTOGRAPH COURTESY NOAA OKEANOS EXPLORER PROGRAM) 世界各地の海底下には、二酸化炭素(CO2)とメタンの大きな貯留層が、いくつも存在している。これらは、気候を大きく変えうる「時限爆弾」のようなものだ。 そして、導火線には火がついている。 海底では、CO2またはメタンを含んだ氷のような固体「ハイドレート」がふたとなって、強力な温室効果ガスを閉じ込め、海中や大気中に出ていくのを防いでいる。しかし、科学者によると、ハイドレートの一部は、周囲の海水温があと数度上がると解け出すという。 そうなると、非常にまずいことになる。二酸化炭素は、温室効果ガスの排出量の約4分の3を占めており、何千年も大気中にとどまる可能性がある。メタンは、大気中にとどまる期間は約12年と