世界的に規制が強化されている有機フッ素化合物「PFAS」は、1940年代からさまざまな日用品に使われている化学物質だ。PFASはバクテリアによって分解されることもなければ、火力で焼滅することもなく、水で薄めることもできない。この有害な化学物質を土に埋めると、周囲の土壌に浸出し、何世代にもわたり問題を引き起こす。PFASは、こうした身体や環境中に長期残留する毒性を有することから「永遠の化学物質(forever chemicals)」とも呼ばれる。 米ノースウェスタン大学の化学者らはこのほど、不可能とされてきたことを可能にする驚くほど簡単な方法を発見した。低温で安価な一般的試薬を使い、2種類の主要なPFAS化合物を分解し、無害な最終生成物のみを残す手法を生み出したのだ。 アメリカ国立科学財団の支援を受けたこの研究は、8月19日発行の『サイエンス』誌に掲載された。新たな手法は、人間や家畜の健康、