「活字離れ」が叫ばれているのに、新刊点数は30年前の4倍にも増えている。そんな「新刊洪水」のからくりを解き明かそうと、出版事情に詳しいライターが関係者を取材して回った。 目先の利益を確保しようと出版社は新刊を出し続け、返品の山を生む。結果、本の短命化が進み、読みたい本に出合える確率はどんどん低くなる。出版社・編集プロダクション、書店、読者への取材を通して流通システムの問題点が浮かび上がる。 「本は書店で」という既成概念にとらわれず、斬新な本の売り方を提案し続けるブックディレクター、幅允孝(よしたか)さんへのインタビューも収録。本書は書店が値引き販売できる「非再販」本でもある。(ポット出版・1890円)