マイナンバーカードを活用した行政サービスで、システム上のトラブルが相次いでいる。コンビニで他人の証明書が誤交付される、マイナ保険証や公金受取口座で他人の情報がひも付けされるなど、混乱は4つのサービスに及ぶ。原因はそれぞれ異なるが、いずれも個人情報が他人に見えてしまう深刻な不具合だ。 マイナンバーカードは今後、運転免許証や個人が持つ国家資格を証明する手段、自動車登録などへ用途を拡大する。トラブルのうちマイナ保険証は7300件以上と大規模なデータの誤りが確認されている。原因を突き詰めると、用途拡大のたびに同じような問題が起こり得る恐れが明らかになったともいえる。 マイナンバーやマイナンバーカードの活用では、過去にもデータ誤りなどのトラブルが起きており、今回で複数の「失策」を重ねたことになる。司令塔となるデジタル庁を中心に、政府が一気に噴出したトラブルから改善につなげられるかが、次の失策を防ぐた