http://d.hatena.ne.jp/naoya_fujita/20140323/1395596751 「伊藤計劃以後」という言葉が嫌いである。毛嫌いしている。 正確には「伊藤計劃以後」という言葉を使う批評家連中が嫌いである。 理由を挙げようとすると色々出てくるのだが、端的に言うとその「雑さ」が腹立たしい。 独自性を持つそれぞれの作家をまとめて「伊藤計劃以後」とひとくくりにしてしまう杜撰さ、本のサブタイトルにまで使っておきながら「伊藤計劃以後」という言葉をろくに定義づけもしないまま援用する適当さ、本人の死を贈与扱いし、さらに死者の遺志を読みとって色々と好き勝手に代弁してしまう無神経さ。 その雑な手つきにとことんうんざりする。 出版社が本の帯に「伊藤計劃」の四文字を入れたがるのはわかる。伊藤計劃をきっかけにSFを知り、次に手に取る作品を探す読者には最適だろう。 作家の生涯ばかりにフォー
hatena内でオススメのSFをリストアップするのが流行だ。 ホコリの被った旧作(「古典」ではない)ばかり挙げられていて本当に辟易する。 SFはアイデアの新奇性、センス・オブ・ワンダーが重要なのであって、 今さらヴェルヌやウェルズを読んだところで、価値はない(ギブスンやディックも同様)。 そしてこういう「オススメSF」の話題になると必ず出てくるので『夏への扉』を薦めてくるやつだ。 はっきり言えるが『夏への扉』を薦めるやつは見る目がなく、センスに欠けていて、信用できないってことだ。 私もその手合いに騙されて、貴重な時間を無駄にしてしまった。 『夏への扉』は読まなくて結構。今からその理由を端的に3つ述べる。 『夏への扉』は決して猫小説ではない。『夏への扉』は猫好きなら読んでおくべき、みたいな薦め方もされる。 読んでみて驚いたのだが、これはまったくもって猫小説ではない。 なぜなら猫はストーリーの
「紙の本を読みなよ。」。帯にそんなコピーが躍る文庫本が売れている。いずれも発行から時を経たSFやミステリーの名作だが、人気アニメの作中に登場したことで、若い読者の注目を集めている。 早川書房から出ているフィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』、ギャビン・ライアル『深夜プラス1』、ジョージ・オーウェル『一九八四年(新訳版)』の4点。 フジテレビなどで3月まで放送されたアニメ「サイコパス」の中で、言及されたり背景に映り込んだりした。アニメは100年後の未来が舞台だが、登場人物の一人は昔ながらの紙の書籍を偏愛。「紙の本を買いなよ」と口にする。 このアニメのファンの一人、紀伊国屋書店新宿本店の書店員平原未来さん(27)が2月、作中で紹介された本に手書きのPOPを付けたところ、売れ行き好調。版元の早川書房が注目し、アニメの登場人物をあし
Hello! It’s time for Kotaku’s Sunday Comics, your weekly roundup of the best webcomics. The images enlarge if you click on the magnifying glass icon.
「道化師の蝶」で芥川賞を受賞した円城塔さん(39)は17日午後8時半過ぎから、東京・丸の内の東京会館で会見に臨んだ。グレーのジャケットにストライプシャツ、ジーパンという服装の円城さん。大学時代には物理を研究していた“理系作家”らしく、落ち着いた語り口で、受賞の感想を話した。最初に円城さんからの受賞あいさつがあり、その後、報道陣との質疑応答が続いた。
SFと主流文学のはざまにある作家ジャック・ウォマックの、ファンによる作品紹介サイト。未訳の長編の解説、インタビューの抄訳、用語集など
あれっ、この髪型は、どこかで見たことがあるような……? 先日、本好きの女の子たちが繰り広げる四コママンガ「今日の早川さん」(COCOさん作)の第3巻がついに発売になりましたが、それを記念して、勝手に有志でコスプレ撮影など行ってみました! 最初はほとんど冗談に近い会話から始まったのですが、実際にその格好をしてきた知人の早川さんっぷりに盛り上がり、勢いでtwitterにちょこっと投稿してみたところ、その姿を見たいという人がいらっしゃいましたので、その一部をここに公開いたします! モデル&コーディネイトは高校演劇時代からの悪友あずさん、撮影は駆け出しカメラマンのいおんくん(twitter @Eu_ion)が協力してくれました!(企画・ディレクションは私。) もちろんあずさんは早川さんの大ファンであるのですが(「20代後半のSF女子としては共感せずにはいられない!」本人談)、その勇姿(?)はこの下
二〇〇九年に亡くなったSF作家J・G・バラードは『クラッシュ』の序文で「我らの夢や欲望を支える……精神の病は、今世紀最悪の死者として結実した。愛情の死である」と書いた。バラードはメディアとテクノロジーに取りかこまれた現代人の生を「テクノロジカル・ランドスケープ」と呼ぶ。現代人にとってはメディアとテクノロジーの中こそが「ありのままの自然」だ。我々はメディアに毒された存在であり、その性と愛はテクノロジーに歪(ゆが)められている。ぼくにとって、バラードは作家というよりも思想家だった。我々の人間性の意味を教えてくれたからである。人間性は変わった。我々にとってのヒューマニズムは十九世紀に生きている人のものとは異なっている。それをポストヒューマニズムの思想と呼ぼう。これはバラード的思想、ポストヒューマニズムを考える本棚である。 戦後メディア社会に最初に目を向けたマクルーハンやギー・ドゥボールはその先駆
『ハエ娘の恐怖』の最終話です。 ーーーー 薄暗い部屋の中でぼんやりと佇んでいると、突然インターホンが連続して鳴らされた。ドアを開けると、僕の肩までくらいの身長の少女が立っている。大きなぶ厚い眼鏡とマスクをしていて、顔立ちはほとんどわからない。けれども、その華奢な体には見覚えがあるような気がした。そして、なによりも。 なによりも、彼女の甘ったるくて舌足らずな声は、耳に懐かしいものだった。 「人が毎日毎日来てたのに、どこ行ってたの?」 「毎日毎日って、いったいなにしに来てたんだ?」 とっさに口をついて出てきたのはそんな言葉で、自分でも失望する。もっと伝えるべきことがあるだろう。 「なにしに来たのかって、うまくいきました、っていう報告と、ご迷惑をおかけしました、っていう謝罪と……」 ハエ少女、いや、元ハエ少女は、そこまで言うと黙りこみ、下を向く。しばらくして彼女は、床を見つめたまま、こう続けた。
(こちらにあったものと内容的にはおなじです。ちょっとうもれてきたので、記事を移動しました。まとめはこっちに追加していきます。) 予備校から一人暮らしのアパートの部屋に帰った僕は、いつものようにカバンを床に放り投げ、ジーンズを脱いで部屋着のジャージに着替えようとし……たところで、窓を開けたままで外出していたことに気がついた。今朝、遅刻ギリギリで部屋を出ていったときに閉め忘れてしまったようだ。窓には網戸がはまっているから、完全に外に直結、というわけではないけれど、不用心なことに変わりはない。それに、その網戸にも、けっこう大きな穴がいくつか開いていて、油断していると蚊どころか、クモやコオロギの侵入までも許すことになる。外はもう日が暮れて涼しくなっていたので、僕は窓を閉じようとアルミのサッシに手をかけた。 そのときだ。背後で、ぶぶぶぶぶん、と、薄い皮膜状のものが超高速で震える際に特有の音がした。網
数日前についったーでしたやりとりから妄想しました。ついったーに投稿しようとおもっていたのだけど、長くなってしまったので、この部分だけはこっちに置いておきます。 (10月8日追記: ちょっと下のほうに埋もれてきたので、本体をこっちに移動しました。) ―――― 予備校から一人暮らしのアパートの部屋に帰った僕は、いつものようにカバンを床に放り投げ、ジーンズを脱いで部屋着のジャージに着替えようとし……たところで、窓を開けたままで外出していたことに気がついた。今朝、遅刻ギリギリで部屋を出ていったときに閉め忘れてしまったようだ。窓には網戸がはまっているから、完全に外に直結、というわけではないけれど、不用心なことに変わりはない。それに、その網戸にも、けっこう大きな穴がいくつか開いていて、油断していると蚊どころか、クモやコオロギの侵入までも許すことになる。外はもう日が暮れて涼しくなっていたので、僕は窓を閉
本の雑誌社刊行の『SF本の雑誌』で決定された本の雑誌が選ぶSFオールタイムベストで選ばれた100冊の既読率調査CGIです。 読んだ本にチェックをつけて回答するボタンを押すと、ベスト100作品に対する読んだ本の割合が表示されます。 『SF本の雑誌』はこちらのオールタイムベスト100選定座談会を筆頭とする新規の記事の他、 33年間に及ぶ「本の雑誌」の過去記事から、SF関連の秀逸な記事を集めて作ったSFづくしの一冊です! この「本の雑誌が選ぶSFオールタイムベスト100」の百作品は、作家・翻訳家・書評家として活躍される 鏡明さん、大森望さん、風野春樹さんの三人が 「SFの歴史を再考する!」を裏テーマに、話し合いによって選んだものです。 作品の評価、SF史上の重要性と同時に三人それぞれの思い入れが強く反映されたものとなっております。 選考の様子は当該記事をご覧になってください。 あの本が入ってない
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く