南相馬市が開いた栄養講座で、茶わんにご飯をよそいながら「適量」を学ぶ受講者。生活習慣改善に向けた取り組みが進む 「自分で食事を用意する機会が多い。生活習慣に気を付けておかないと、いずれ困るのは自分だから」。6月9日、南相馬市の原町保健センター。糖尿病予防をテーマとした栄養講座の会場で、同市原町区の柚原(ゆはら)恒貞(71)は受講の理由を話す。講座では、予防にも効果がある糖尿病の食事療法などに理解を深めた。 震災前に妻を亡くした柚原。同居していた長男は5年前の震災時、結婚したばかりだった。原発事故を機に一時県外へ避難し、その後戻ったが、長男の家族は今も離れて暮らす。自宅で一人になることが多い柚原は「さみしくなることがある」とつぶやく。 栄養講座は、南相馬市が本年度から新たに始めた事業だ。「原発事故に伴う避難の影響で、以前は家族みんなで食べていたのに高齢者だけになってしまった世帯など、生活習慣