精神科医であり、「受験の神様」の異名をもつ和田秀樹さんが初監督した映画「受験のシンデレラ」が2008年3月29日、公開される。なぜ、映画を作ったのか。復活する日本映画のなかで、独立系映画はどんな状況に置かれているのか。和田秀樹さんに聞いた。 主人公は余命1年半の「受験のカリスマ」 ――「受験のシンデレラ」は、どんな映画ですか? 和田 「受験指導のカリスマ」と呼ばれて富も名声も手にした男が、ガンで余命1年半と宣告されたのをきっかけに、高校中退の貧しい女の子に出会い、最後の仕事として自分のもつ受験テクニックを彼女に注入し、東大に合格させようとする映画です。受験を取り上げた映画がなかったことと、日本ではホスピスのことだと誤解されている緩和ケアの本当の意義や格差社会の現状を描きたいと思いまして。これは僕の生きる哲学でもあるのですが、「よりよく生きる方法を知れば、人生は変えられる」というメッセージを