京大数理解析研究所の望月新一教授(c)朝日新聞社この記事の写真をすべて見る 「世紀の大偉業だ」 関係者がこう称えたのは、京都大学数理解析研究所の望月新一教授だ。これまで未解明だった数学の超難問「ABC予想」を証明したとする論文を2012年に発表し、その正しさが認められたことで、同研究所が編集する専門誌「PRIMS」(ピーリムズ、発行は欧州数学会)に掲載されることが決まった。京都大学によると、論文はA4サイズにして約600ページで構成された大作である。 公私にわたり20年以上の交流があり、ABC予想に詳しい東京工業大学の加藤文元教授は「数百年に1回の革命的な成果だ」と賛辞を惜しまない。 「私は世紀の大偉業だと思っている。ノーベル賞を1つや2つあげても足りないくらいではないか」 そもそも、ABC予想とはなんなのか。一言で表すなら「整数の足し算とかけ算にある相関関係の証明」(加藤教授)だ。以下に