菅直人財務相は7日の就任会見で、「こう少し円安の方向に進めばいい」と述べ、異例ともいえる為替相場の水準に言及した。これを受けた外国為替相場では、1ドル=92円台前半から後半に瞬時に円安が進行した。辞任した藤井裕久前財務相が円高論者だっただけに、市場では菅氏の就任で円安期待が高まっていたが、実際に相場が大きく反応するような発言を行ったことで、今後、波紋が広がる可能性がある。 菅氏の会見は、午後3時半にスタート。冒頭発言の後の質疑応答に移り、数問目の質問で、「藤井氏は円高論者だったが」と問われた。 これに対し、「そういう質問にあまりうかつに答えるととんでもないことになるということは私もよく知っているので、本当なら答えない方がいいと思う」と含み笑いをみせた。その上で、「日本経済に与えるいろいろな影響を考えながら適切な水準になるように、日銀との連携も含めて対応していかなければならない」と模範解答。