「十三人の刺客」オープニングの字幕からふるっている。「広島長崎に原爆が落とされた百年前のことである。」ドーン!字幕から本気で客を殴りにかかっている。 この映画は1963年工藤栄一監督「十三人の刺客」のリメイクで、ほぼオリジナルに忠実な作り。この三池版の面白さの大部分がオリジナルの面白さに依拠しているのは間違いない。それでもリメイクした意味があるのが確かに感じられる出来となっている。 まずなにより三池版がいいのはキャラクターの相貌をくっきりと描いているところ。オリジナルでは片岡千恵蔵(=役所広司)、嵐寛寿郎(=松方弘樹)、里見浩太朗(=山田孝之)、西村晃(=伊原剛志)以外の刺客メンバーは誰が誰やらはっきりと描かれなかったが、三池版では13人のキャラクターが一人一人粒だっている。 特に出色なのが伊原剛志で、剣道やった人ならわかると思うけど、強い人と対峙した時はすぐにわかる。「あ・・・この人強い