きょう投票の民主党代表選挙の異様さは、誰も知る通りである。なにしろ、原発より、財政再建より、「挙党一致」が大事という騒ぎだ。 事実上の主役は小沢一郎元代表である。候補乱立の結果、党内最大グループを率いる小沢が新代表の決定権を握った。党員資格を奪われ、表向きは謹慎中の黒幕に各候補がすり寄っている。その無節操、無定見が異様な印象の核心だ。 なぜ、こういうことになるのか。小沢その人にからむ理由が二つあると思う。 第一。この夏、小沢側近の政治資金規正法違反事件(陸山会事件)の裁判で検察が失点した。検事の威圧的な取り調べが露見、検察が求めた調書の証拠採用を、裁判所が退けた。 第二。政局の安定は当分望めず、いつ総選挙になだれ込んでも不思議はない。そうである以上、選挙の面倒見のいい小沢についておけば損はない、小沢無罪ならなおさらだ--という打算が働いている。 要するに、烏合(うごう)の衆のサバイバル。党