楽がうちに来たのは、2015年1月、生後8ヶ月のときだった。 広い牧場で自然交配によって生まれた楽は、人に触られた経験がほとんどなかった。 うちに来てから、毎日少しずつ体に触るようにして、だんだんブラシをかけたり、タオルで体を拭いたりすることができるようになっていった。 鞍を付けられるようになると、今度は馬房の中で、跨がったり降りたりを繰り返し、いよいよ人が乗って引いて歩く段階にきた。 これまでは、ひとりでも何とかなったけど、誰かが乗って、誰かがリードを引くとなると、もうひとり必要になる。 というわけで、この冒険的な挑戦に付き合ってくれたのが、馬房を作ってくれた大工さん、そして、放牧柵を作ってくれた車屋のマコっちゃんだった。 以前、ボランティアをやっていた牧場で知り合った2人だけど、彼らは修繕などの仕事をしていて、直接馬に関わることはなかった。 それでも、馬たちのことを大切に思ってくれてい