評論家・編集者の中川大地氏が、2016年8月に発表した『現代ゲーム全史−−文明の遊戯史観から』(早川書房)は、コンピュータの誕生から現在までの100年に及ぶ、日本を中心としたデジタルゲームの歴史を、一貫した流れとして語り尽くしている大著である。 また同書では、テクノロジーの発展と社会文化の変化の中で、ゲームが社会をどう反映し、また社会をどう変えていったかを語るという、人類史の“遊戯史観”が提示されている。 『現代ゲーム全史—文明の遊戯史観から』(2016・早川書房) (画像はAmazonより) 『現代ゲーム全史』において、日本のデジタルゲームが発展していく上でとりわけ大きな意味を持つとして取り上げられているのが、1980年代前半に『ゼビウス』『ドルアーガの塔』といったアーケードゲームを送り出した遠藤雅伸氏と、『ポケットモンスター』のクリエイターである田尻智氏との関係だ。 遠藤氏のゲームの熱