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ブックマーク / medt00lz.s59.xrea.com (56)

  • ざわめくインターフェース - レジデント初期研修用資料

    たぶん「バックグラウンドノイズ」には、役に立つ情報が多く含まれていて、 我々は、普段は意識しないままに、そこから情報を抽出して利用している。 立ち位置が異なる人同士の力関係とか、世間全体から見た自分の位置みたいな 情報は、たぶんそんな「ノイズ」を通じて取得されている。 ネット世間には、良くも悪くもそんな「雑音」が存在しない。必要な情報に すぐアクセスできて、目に見える情報以外の雑音が存在しないネット世界は、 実世界に比べて「きれい」という認識は間違いで、やはり「情報が少ない」と いう認識を持たないといけない。 ネット世間に「次」を求めるとするならば、そんなノイズ情報、「ざわめき」の実装なのだと思う。 周辺情報が欲しい 当直中の時間つぶしはニコニコ動画ばっかり。いつ呼ばれるか分からないし、 年取ってから、真夜中とか集中力続かなくて、眺めるだけで楽しめるメディアは当に便利。 ニコ動の検索はそ

  • 暫定税率のニュースを見た - レジデント初期研修用資料

    ガソリンの暫定税率がまた復活することになって、「安価なガソリンは今日まで」なんて、昨夜のニュース。 いろんな立場の政治家が,インタビューに答えたり、記者会見を開いたりしてた。 気がついたことのメモ。 「笑顔」は難しい そもそも暫定税率の問題自体が、国会議員から見たらたいした問題じゃないのかもしれないけれど、 報道されてた議員の人達は、なんだか「見られる私」を意識して振る舞う人が少なかった印象を持った。 暫定税率復活の審議をするときには、民主党の若手が、会議室を取り囲んで 採決を阻んでた。自民党の河野議長は、その間隙を突くようにして議場に入って、 採決を成功させた。民主党の菅直人議員は、「国民不在の投票だ」とか、外で叫んでた。 2 人とも笑ってた。 河野議長はずっと笑ってた。河野議長はたしかに民主党の裏をかいたし、 民主党がねじ曲げた議事運営を「正常化」できたわけだから、笑いたい場面ではあっ

    moondriver
    moondriver 2008/05/02
    ”この状況で「笑顔」を見せるためには、よっぽどの大義を持っていないと難しい””よほどの覚悟の持ち主でなければ、やっぱりたぶん、「国民から見た私」に対して、自覚が乏しいんだと思う”
  • 後期高齢者医療制度がよく分からない - レジデント初期研修用資料

    外来で使えるお金が、月に6000円までに制限されること。 患者さんを何もしないで看取った場合、国から2000円の「ご褒美」がもらえること。 入院した患者さんの扱いは、よく分からない。 後期高齢者医療制度が始まって1ヶ月が経ったけれど、現場の理解だって、まだこの程度。 これから起きる問題を見極めようにも、それ以前の混乱が大きすぎて、まだ外来には何も伝わらない。 現状 「75歳になった人は見殺しに」なんてメッセージが力強く伝わるこの制度は、 だから全然普及していない。 今はまだ移行期間だからなのか、患者さんは旧制度と新制度、どちらか一方を選択できて、 地元医師会も「もう少し様子を見ましょう」なんて、外来主治医制度に名乗りを上げていない。 ソフトウェアのアップグレードに似ている。「人柱」になる人達がまず試して、 その制度が「いい」ものなのかそうでないものなのか、見極めがつくまでは、 普通の人は怖

    moondriver
    moondriver 2008/05/02
    ”ルールというのは、それを「悪用」するやりかたを考えてみると、理解が深まる””医師がどんな「ずる」をする可能性があって、厚生労働省として(略)どんな抑止策を行うのか。そんな記載が見つからない”
  • リソース分配のこと - レジデント初期研修用資料

    子供の外傷とか、あるいは溺水とか。連休は「不慮の事故」で運ばれる子供が増える。 今年は休日当直。今から怖がってる。 うちの地域はまだ、かろうじて救急輪番制が機能しているけれど、 崩壊する一歩手前。救急当番を回せてるのは実質3 病院だけだし、 地域でそれなりの数を受けているうちだって「救急指定」だけれど、 全科一人当直。小児科の専門医は、もちろん待機していない。 手に負えないお子さんが来たときは、だから小児科の常勤が待機している病院に 運ぶんだけれど、今県内全域で機能している小児科は、せいぜい3施設ぐらい。 救急を夜間に受けてくれる施設はもっと少ない。ベッドはどこもいっぱい。 この連休も、どうなるか分からない。 死亡率のこと 日ではなんだか、ゼロ歳から1 歳までの死亡率は世界一低いのに、 1 歳から4 歳までの死亡率がとたんに悪くなって、世界でも下位のグループに 転落するなんて、ニュースで

  • ミームのこと - レジデント初期研修用資料

    ウィルスみたいに「広まる」文章は、「権威付けがなされていること」、 「具体的であること」、「読者を鼓舞すること」といった、共通する性質を持っている。 内容が不正確であったり、勧めていることが違法であったりしても、 たぶんこんな条件を備えた文章は「ミーム」となって広まって、 いつかどこかで実行されてしまう。 デキサメタゾン大量療法 研修医の頃、脊髄外傷に対するデキサメタゾン大量療法のやりかたが論文になって、 救急部の部長がやりかたを貼りだした。 脊髄外傷患者に対するデキサメタゾン大量療法 脊髄外傷患者を診たら、「デカドロンを○アンプル静注、その後24時間かけて、生100ml にデカドロン○アンプルを 溶解したものを持続静注 張り紙に書いてあったのは、部長の名前と、元の論文名と、具体的なやりかた。 体重あたりの計算は省略されていて、 読んだらすぐに実行できるように記述されていて、最後に一

  • ムラの条件 - レジデント初期研修用資料

    やっぱり村社会が好き。「批判は読者の権利です」とか、心にもないこと宣言しながら、 空気の力で、自分の手を汚さないで、叩きに来た人達潰せたら、きっといい気分。 今自分がいる場所は、外からは「村」なんて呼ばれてるけれど、 実際の「ムラ」度は案外低い。「ムラ」目指すには、まだまだ足りない。 一部の意見が全体を左右する 何か書いて発信して、叩きコメントたくさんもらうと、やっぱり疲れる。 最近のページビューは、1日あたり6万人ぐらい。全てのアクセスがblog を見に来るわけではないんだろうけれど、 実際にコメントを残したり、ブックマーク欄に何かメッセージを残す人は、多いときでもせいぜい50人。 批判される文章書いたときなんかは、そのうち半分ぐらいが「叩き」コメント。 読むと疲れる。次に書く文章なんか、間違いなく影響受ける。 「メッセージ」が「全体」に占める割合は、せいぜい多くて1 %。 「叩き」メッ

  • 地域医療の地政学 - レジデント初期研修用資料

    地元の新聞に、地域医療の救急枠を、県境を越えて融通しあうようなお話が掲載されていた。 生命は最も大切なものだから、県とか市とか、自治体の境界を超えて、 患者さんの収容を最優先するのだと。 勘弁してくれと思った。 うちの施設を取り巻く状況 小さな規模の病院だけれど、救急車はけっこう来る。夜間でも、下手すると一晩に6台とか8台、 救急車がやってきて、もちろん外来も夜通し来る。当直は全科で一人。体勢は時代遅れだけれど、 そもそも自分が最年少とか、勤務している医師も十分に時代遅れだから、 それでも何とか回る。外科医も内科系疾患を診てくれるし、内科の自分が子供縫ったりする。 田舎だから何とか回る、「曖昧さ」がいい方向で共有されている病院。 救急車で1時間ぐらいかかる隣の都市では、救急体制が崩壊している。 そこは人口も多くて、病院もたくさんあるし、公立のセンターもあるのだけれど、センターは専門施設だか

  • 正義の敵は正義 - レジデント初期研修用資料

    ここ2 日間のプチ炎上について。 背景など 動悸はごく素朴。 憲法に関わる高等裁判所の判決が出て、「自衛隊やっぱ間違い」なんて、 けっこう踏み込んだ判決が出た。はてなブックマークでそれ読んでたら、 元検事の方が言及してて、判決出した裁判官は定年間近で、 今回の判決文読んだのは、人じゃなくて後任の人だったなんてことを知った。 ごく単純に「ずるい」と思った。踏み込んだ判断出して、自分は判決出し逃げして 玉置に逃げ込んで。来年になったらリベラル派のコメンテーターとして、 古舘伊知郎あたりとよろしくやってる姿とか想像して、なんだか腹立った。 最初はtwitter。 「ずるいと思う」とか、「対案示せ」とか、ぐだぐだと書き流した。 いろいろ指摘をいただけた。 立法権・行政権の侵害はできないこと。司法が民主的統制を受ける範囲のこと。 訴訟法上、政策を争うことはできないこと。何よりも、裁判官だって人間で

  • 「能力ある人の不作為」という罪悪 - レジデント初期研修用資料

    動物愛護団体の人たちが「すばらしい人」なんて引用するのは、 圧倒的にマザーテレサが多いらしい。ほかの偉人とか、ましてや 経営者の言葉なんて出てこないらしい。 マザーテレサは、もちろんすごい人であることには間違いないのだろうけれど、 あの人は同時に、「もっとすごいことが出来たのにやらなかった」人なんだと思う。 マザーテレサのこと マザーテレサは、世の中どうにでも出来るぐらいのすごい力を持っていたのに、 目の前の難民を救うことに全精力をつぎ込んで、「もっとすごいこと」には興味を示さなかった。 悪い言いかたすれば、マザーテレサは能力を持ちながら、怠惰だった。 社会的な立場も、ネームバリューも、あるいは「集金能力」みたいなものも、 マザーはあれだけの能力を持ちながら、自分が「きれい」でいたいがために、 もっと泥臭い、経営の世界に踏み込まないで、難民キャンプの現場にとどまって、 「気を出せば」救え

    moondriver
    moondriver 2008/04/18
    「力のある人間はその力に応じた正しさの範囲で動かないといけない」という話かな。スーパーマンに全力で捕鯨反対活動されても困る。彼の力なら個人の正義や団体の正義のため動くのは間違いで、更に上位で動くべき
  • 「初心者」親和的なインターフェース - レジデント初期研修用資料

    WordPress のこと Wordpress は、サイト名とページ名を『≫』で区切る。 エントリー書いて、「はてなブックマーク」みたいなサービスに記事が載っかると、 この区切り記号が文字化けして、なんだか見づらくなる。 ブクマするたびに自分で書き直したり、ブクマしてくださった方が直してくれたりするんだけれど、 すごく面倒くさい。何とかしたかったんだけれど、そもそもそれをどうやって調べればいいのか、 まずそれが分からない。 「はてなブックマークでなんだか題名が文字化けする」なんて、 検索エンジンでそのまんま検索しても、引っかからない。 結局どうすればいいのか分からなくて、Twitter 上でそのまんま質問したら、 「ヘッダを編集すればいいですよ」なんて、何人かの方から教えていただいた。 元々が他人様のテンプレートを使っているページだから、その教えはそのまんま使えたわけでは なかったけれど、

  • レジデント初期研修用資料 » Blog Archive » みんなで育てる化学テロ

    医局でたまたま硫化水素中毒のことが話題になって、「テロに使われたら怖いよね」なんて話してた。 よくよく考えたら、テロに使われる可能性は十分あって、実際問題、防ぎようもないのかなと考えた。 硫化水素のこと 硫化水素は、ホームセンターなんかで普通に手に入る薬が2種類あれば 簡単に合成できて、致死率も高い。去年ぐらいから、 それを使って自殺する人が報道されて、今年に入って件数が増えてる。 今のところはまだ、薬剤に対する規制は始まっていない。 これから先、たぶんまだまだ同じことする人が増えるはず。 今はまだ、あくまでも自殺の手段としか広まっていないけれど、 人が亡くなるぐらいに強力なガスを手軽に発生する手段は、 もちろん無差別に人を傷つける目的にだって転用できる。 硫化水素は空気より重くて、温泉街とか火山地帯では、 窪地にたまった硫化水素で中毒する事故なんかが起きてる。 誰か悪意を持った人が、東京

  • レジデント初期研修用資料 ≫ Blog Archive ≫ 先入観は大切

    漠然と「いい人」みたいな印象を持つ患者さんが、「いい人なら来るはずのない時間」に、 ありえないほど軽い訴えを持ってきたときは、すごく気をつけないといけない。 患者さんに対して先入観を持って接することは、もちろん教科書で勧められているやりかたとは 異なるんだけれど、先入観というのは、潜在意識のささやき。意識に上がってこないレベルで、 自ら積み重ねた経験知が何か伝えようとしているならば、それを使わないともったいない。 「誠実な」患者さんとそうでない人。 漠然とした印象それ自体は、思考を正しい診断から遠ざけるためのバイアスしか生まないけれど、 医師が置かれた状況と、その人に抱いた印象とを結びつける「文脈」を 考えるなら、漠然とした印象は結構大切な手がかり。 問題を系の外側から解く視点を提供してくれることがある。 状況文脈というもの この患者さんは、「この状況に来てもいい人」なのだろうか? 「一週

  • 治癒イメージの描きかた - レジデント初期研修用資料

    研修医の頃、重篤な脳梗塞の患者さんを受け持った。上司に「どうしますか?」なんて治療の方針を尋ねたら、 「立派な寝たきり老人にして返す」という返答をいただいた。 あれからいろんな上司に「どうしますか?」を訪ねたけれど、科によって、その人の性格によって、 返ってくる答えは様々。すごい返答。熱い返答。誠意のない返答。答えはいろいろだったけれど、 「どう」の中に入るのは、みんな行為のイメージ。患者さんの治癒という、 結果をイメージしながら戦略を考える人は、やっぱり少ない印象。 みんな精霊さんを信じてる みんなたぶん、どこかできっと、「精霊」の存在を信じてる。主治医の努力をどこかで見ていて、 超常の力を発揮して、受け持ち患者さんに治癒をもたらす精霊。 外科医はみんな、悪そうなところを全部とったら、あとは精霊さんが何とかしてくれると信じてるし、 麻酔科の人達は、血圧とか脈拍とか、外から見える数字を一定

  • 「恋愛シューティング」実装案 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります カトゆー家断絶の中の人が、twitter で「恋愛SLG 」 という言葉を使っていた。「恋愛STG」はないのかな、と思って検索したら、案外なかった。考えた。 状況設定 AI とプレイヤーとが共同して、コミュニケーションしながら敵のボスを破壊する。 パイロットをプレイヤーに設定するのは難しい。 それは伝統的なシューティングの文法だけれど、それをやってしまうと、 「機械に任せるぐらいなら自分で避ける」というプレイヤーの声を無視できなくて、 AIを導入する必然性がなくなってしまう。 「AIとの共同戦闘」という状況にある程度の必然性が出てくるのは、 人工衛星のオペレーション。 地球に近いとき、人工衛星は、 ある程度のマニュアル操作が可能だけれど、火星

  • レジデント初期研修用資料: 癌の人がこれから困るかも

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 大昔。研修していた病院の夜間外来。がんセンターからの患者さんが紹介されてきた。 体中ドレーンチューブだらけ。山のような麻薬系鎮痛剤。 「末期○○癌の患者様を紹介させていただきます。 貴院でのご加療を希望されています。ターミナルケアをお願いします」 小さな紹介状一通。医療不信と主治医への恨みに満ち満ちた患者さん。 うちにかかったこともない患者さんだったし、研修医風情がこんな人を受け持てば、 絶対トラブルになるからお断りしたけれど、そのあとどうなったんだか。 がんセンターの医師だって人間。トラブルには巻き込まれたくないだろうから、 当はもっとていねいな説明があったはず。 たぶん、病院を去る時点では「今までありがとうございました」の 上っ面の挨

  • NHK「日本の、これから」 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 総括 「医療、安心できますか?」という副題。 医療者、厚生労働事務次官、患者代表、メディアがそろう討論番組とあって、興味があった。 舞台立てとしては、真ん中に司会者、タレント、厚生労働事務次官氏、医師代表の田先生、 医師会長、医療ジャーナリスト氏が集結。 それを取り囲んで、患者代表、地方自治体代表、医師代表がそれぞれ15人ぐらいずつ集まる。 結論は、厚労省の完全勝利。医師全面敗北。 番組開始と同時にドレスコードの違いが目に付く。患者、医師、 司会者まで含め、登場者はみんなノーネクタイで、 ラフな格好。髪型もバラバラ。そんな中で、厚生省事務次官だけがネクタイにスーツ。 ホームページを見ると、司会者も普段はネクタイをしている。 今回のノーネクタ