グローバリゼーションが過剰になりすぎたいま、 世界は反転しようとしているのだろうか。 ではどこに、どのように反転がおこるべきなのか。 本書はアンソニー・ギデンズの「第三の道」と、 ネグリ=ハートの「マルチチュード」を両眼視して、 そこにプルードン風のアナキズムの再来を嗅ぎとった。 著者は現在34歳の俊英である。 1998年のWTO閣僚会議で、ビル・クリントンは「グローバリゼーションとは政策的な選択のことではない。それは現実なのだ」と述べた。その翌年のシアトルのWTO閣僚会議には、市場原理主義の侵攻に対する「反グローバリズム」の市民デモが押し寄せた。 田中宇(667夜)によれば、グローバリゼーション(globalization)という言葉が欧米の新聞に登場したのは1983年以降のことだという。ジェラード・デランティは、社会学用語としてグローバリゼーションが使われたのは1966年の「アメリカ社