前回(参考書を手当たり次第に手に取り、無視する)に続いて、先の見えない暗闇プロジェクトで企画・計画を進めるためのセオリーを紹介しよう。 セオリー1 有事に平時の計画を使うのは禁物 U社のシステム構築プロジェクトは、当時としては先進的な取り組みだった。とはいえ平均より少し早い程度で、イノベーター理論でいう「アーリーマジョリティ」だった。業界の動きに目を光らせているU社の上層部は、「同業他社に比べ、かなり遅れを取っている」との意識を持っていた。 上層部からプレッシャーを受け、システム部門は早くプロジェクトを開始して、本番稼働、サービス提供につなげようと焦った。後発なのに先行各社よりもサービスの内容が劣っているようでは格好がつかない。標準機能をひと通り実現した上で、本番稼働にこぎ着ける必要がある。 通常のシステム開発は、「業務要件定義」「システム要件定義」「システム設計」「実装」という流れで進め