レビュー 依然厳しい若手研究者の雇用環境 雇用促進の誘導策や新たな具体的制度設計を 2018.03.16 内城喜貴 / サイエンスポータル編集長・共同通信社客員論説委員 大学院の博士課程を修了後、大学や公的研究機関に就職して3年半経っても半数以上は任期制雇用ー。こうした実態が文部科学省の科学技術・学術政策研究所による調査で明らかになった。博士号取得後の任期付き研究者は「博士研究員」、通称「ポスドク」と呼ばれる。増員された「ポスドク」の雇用環境問題が指摘されて久しいが、多くの「ポスドク」が安定的なポジションを得たいと考えている具体的データも今回示された。現在、科学技術イノベーションを支える人材育成のあり方をめぐる議論が盛んだ。今回の調査結果は、そうした議論の中でも「ポスドク」の具体的就職支援が極めて重要であることを物語っている。 博士課程修了して3年半後でも半数以上は任期制 同研究所によると