以前焼酎製造所に勤めていた者です。 一言で言えば「酸っぱくて美味しくありません」 そのわけは次の通りです。 原料として同じ米を使っていても米焼酎原酒と日本酒では大きな違いがあり、麹のカビの種類が異なります。焼酎では通常「白麹または黒麹」を用いるのに対し、日本酒では黄麹を使います。 この二つの麹のもっとも違うところは、白麹ではクエン酸を大量に作るのに対し、黄麹ではほとんど作らないという点です。この性質があるので焼酎もろみは強い酸性になります。九州のような温暖な気候のところでは発酵中も雑菌汚染の危険性が大きいのですが、酸性になることでその危険から免れるようになっています。 上手いことに、クエン酸は蒸留しても蒸発しませんので焼酎の方に入ってくることはありません。 ご存知かもしれませんが、最近では蒸留した焼酎もろみの残りを「もろみ酢」といってクエン酸の健康飲料で販売しているところも多いようです。