原題は『Life、Energy and the Unity of Nature』である。直訳すると「生命とエネルギーと自然の統一性」だ。邦訳タイトルは明らかにまちがいだ。この間違ったタイトルのおかげで、例のアロメトリーの話かと取り合わなかった人がいるのではないか。1992年出版の名著で『ゾウの時間 ネズミの時間』という本がある。この本はそのアロメトリーをまともに取り扱った最初の読み物だった。 アロメトリーとは生物の体の大きさと、代謝率や寿命や心拍数などの生物学的な量の関数のことだ。ネズミと牛などを比較した場合、体重が1000倍になっても代謝率は180倍にしかならない。つまりより大きな動物はエネルギーを相対的に必要としないのだ。動物の体重と代謝率の相関関係は3/4乗則になっているため、本書のタイトルに3/4が使われたのだろう。 しかし、本書では森も草原も面積あたりのエネルギー消費量は同一であ