スポーツや、音楽、チェス、といったアクティビティに、人よりも卓越した能力を示す人がいます。たとえば、バスケットボールのスーパースター、ステファン・カリー。彼は前季、自らが前々季に築いた歴代最多記録を4割以上上回る、スリーポイントシュート成功数402本という驚異的な記録を樹立しました。これは2位の選手を126本も上回る数字です。 こうした並外れたパフォーマンスは、いったいどのようにして可能になるのでしょう? 達人は、遺伝的な優位性をもって「生まれる」のか? 訓練によって「つくられる」のか? それとも両方の要因が重なっているのでしょうか? 過去の研究が示すもの この疑問は、心理学で昔から議論されてきたテーマであり、フロリダ州立大学心理学部教授Anders Ericsson 氏と、サイエンスライターRobert Pool氏による新刊書『超一流になるのは才能か努力か?』もそのことに焦点を当てていま