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2012年6月17日のブックマーク (2件)

  • [書評]詩篇を歌う(シンシア・ブジョー): 極東ブログ

    何かを自習するための教でこんなに楽しいのは久しぶりだなとシンシア・ブジョー(Cynthia Bougeault)の「詩篇を歌う(Chanting the Psalms)」(参照)を読んだ。 内容は簡素なタイトルが示すように聖書(旧約聖書)の詩篇を朗詠するための基礎知識や簡素化された技法、さらに現代的な朗詠や歌唱化の手法を扱っている。グレゴリアン・チャントの基も説明されている。翻訳はないようだが平易な英語だし、読んだだけではわかりにくい部分は添付のCDで聞くことができる。記載されている楽譜も最小限だ。著者ブジョーは、耳で聞いて覚えなさい、耳を信頼しなさいと、鈴木メソッドの例で教示している。 こういうで詩篇や英詩の朗詠について若いときに勉強できたらよかったのに、と読後悔みもしたが、著者ブジョーが提示するこの新しい詩篇朗詠の動向は1990年代以降に生じたらしく、この簡素な朗詠法はそれほど広

  • ジュネーブ詩篇本について: 極東ブログ

    一連の詩篇関連の話としてジュネーブ詩篇(サルター)(Genevan Psalter)について触れておきたい。 プロテスタントの形成に大きく寄与し、またマックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資主義の精神」でも重視されているカルヴァニズムの原点、神学者ジャン・カルヴァン(Jean Calvin)(1509-1564)は、独自のサルター(詩篇)も作成していた。ブジョーの「詩篇を歌う」(参照)で詩篇朗詠は聖務日課(Divine Office)の基礎となるとの指摘があったが、カルヴァンも新しい自派の信仰集団に聖務日課のような儀礼を組み込みたかったのがサルター編纂の目的だった。カルヴァンというと質素で儀礼を排するかに理解されることが多いが、詩篇朗詠を信仰生活の基軸にするベネディクト修道院的なコミュニティへの志向もあった。 簡単にカルヴァンについておさらいしておく。カルヴァンはフラン