故・中島らも氏の娘である、という触れ込みだけで手に取った方は、その異才ぶりに驚くだろう。一言で表現するには非常に表しにくく、しかし誰かに薦めずにはいられない1冊なのだ。 大好きな女性、美澄に近づこうと毎日少しずつ動く努力をしている石。その距離、一日8ミリ。そしてその石と会話ができる猿の壮太は美澄に飼われているペットである。美澄の近くにいる分、石よりは優越感を持っているけれど、そこは人間とペット。思いは届かない。やがて二人(ひとつと一匹?)の思いは、村のお祭りが引き起こす事件とともに動いていく。 まさか主人公が猿とは、と、表題作「いちにち8ミリの。」を読んで驚く間もなく、他にも珠玉の2編が続く。中学生の女の子・優は、庭にある村で一番大きなアカガシの木を祖父が『ゴリづらの木』と呼ぶのに習ってそう呼んでいる。小さな頃のゴリづらの木との出来事を思い出したとき、姿の見えない少年が木に現れる。田舎の山
京都在住、33歳の猟師の書き下ろしエッセイ。 猟師さんです。漁師さんじゃないですよ。 山を駆け巡り、獣を捕らえ、さばき、食べる、狩人。シカやイノシシ、さばいた肉は自分の食べられるだけを持ち帰りあとは小型肉食獣たちの食べ物として、山に戻します。 師匠や友人達との猟ライフ、レシピ集(!)、ワナの仕組み・・・春夏秋冬、日々の生活が綴られていきます。 肉食、狩猟についての考え、あるべき姿も語られます。『「狩りが野蛮」という意見もあるが、食べられるためだけに飼われ殺され、消費されていく動物たちはどうなのか。これこそ野蛮な行為。命に対する侮辱なのでは。盲目的に動物愛護と叫ぶのは、人間の驕りだ。おいしく食べることは、捕らえた獣達に対する礼儀なんだ』 デリケートな話です。熱く静かに語る彼に共感します。なお本文中の写真はすべてカラー。捕獲~撲殺~解体~食卓にあがるまでの様子が詳細に分かります。現代社会はブラ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く