日本地震学会は、静岡市内で開かれていた大会最終日の15日に、特別シンポジウム「地震学の今を問う―東北地方太平洋沖地震の発生を受けて」を開きました。地震と津波が甚大な被害をもたらしたことを受け、これまでの地震研究を検証するために開かれました。約500人が参加し、討論しました。 特別講演でロバート・ゲラー東京大学教授は、地震予知研究は大きな見直しが必要だと問題提起しました。 東北地方太平洋沖地震をなぜ予測できなかったかについて、松澤暢・東北大学教授は「最近の観測では東北地方のプレート境界にひずみが大きくたまっているとはみられなかったことや、最近100年間のデータに頼ってしまったことがある。推定が過小評価である可能性も見通さなくてはいけない」と話しました。 井出哲・東京大学准教授は「海域での観測が不十分だったし、地質学的年代スケールでの情報を生かせなかった。今後、短期の『地震予知』と中長期の『地