COP10が担う課題の第一は、2010年以降の目標の採択です。前回ふれたGBO3(「地球規模生物多様性概況第3版」)での「10年目標は達成に失敗した」という評価を踏まえ、生物多様性の保全と持続可能な利用に向けた各国共通の行動目標を定めなければなりません。 GBO3の前書きで潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、「現状は、生態系が人類にとって重要な生態系サービスを提供する能力を破局的に減少させるいくつかの潜在的な転換点に近づきつつある」と、事態の切迫を訴えました。 この認識を共有した上で、「人類にとっての甚大な危険」を回避するために必要な20年までの目標を決める必要があります。 「自然と共生」 これまでの交渉では、中長期目標として50年までに「自然と共生する社会を実現する」ことで合意されています。 しかし20年までの短期目標としては、EU(欧州連合)などが求める「効果的かつ緊急な行動を実施す