【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は23日、北東部、豊渓里の核実験場廃棄をめぐり、韓国記者団の取材を認めた。韓国記者団は同日、政府輸送機で北朝鮮側の取材拠点がある東部、元山に入った。韓国を含む外国メディアの報道陣は23日夕、豊渓里に向け出発した。北朝鮮当局者は報道陣に「24日に気象状況が良ければ(廃棄が)実施できる」と説明した。 韓国統一省によると、北朝鮮は米韓両軍の共同訓練などを理由に16日の南北閣僚級会談の無期延期を通告して以降、3回にわたって韓国記者団の名簿の受け付けを拒んできたが、23日に一転、受け付けた。理由の説明はなかったという。 北朝鮮は、取材受け入れを政治的揺さぶりに利用するとともに突然の軟化で貸しを作り、韓国との今後の交渉で主導権を握る狙いとみられる。実験場廃棄を非核化を行動で示す「最大の措置」と位置付けており、韓国メディアを排除すれば、宣伝効果がそがれるとの判断もあったようだ。