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静沙が、そいつは私のもとに来るヘルパーの女なのだが、静沙が書棚から「青い花」9巻を見つけ出しやがった。「これ、読みたかったんだ」 おいおい私のおしめを変えた手で「青い花」をさわるんじゃない。志村貴子先生のそれは石原4世により発禁処分となり、所持がみつかるとそれだけの咎で択捉島に流刑となるので、なかなか手に入らない。だから静沙にとってはお宝かもしれないが、私にとってはそれ以上のものなのである。 今日を生きられない、そんな日々、かつての私の未来には「青い花」だけがあった。「青い花」の新刊が出るのだけが未来にあった。万城目さんが「あーちゃんと一緒にいたいの」と言いだして、逗子市役所に就職した奥平あーちゃんから離れたくないがために、筑波大学を中退して横浜国立大学に入り直す9巻、これにどれほど涙したことか。 それを静沙に見つかっては、もう恥ずかしくて生きていはいけない。 … 死のうと想った。しかしま
ずっと、母方の祖父のことが好きではなかった。 そう言い切ってしまうのも実際とはやはり違っていて、より正確に表現するならば、好きだとか嫌いだとかいう以前の問題で、おれは祖父の生き方を全く理解することができなかった、と言うべきなのだろう。おれにとっての彼は、ほとんどエイリアンのようなものだった。たとえば、母方の祖父はかつて家庭にほとんどお金を入れることがなかったという。これで祖父が酒や博打に現をぬかす放蕩者であったなら、まだ人間的な理解を行う手だてもあったかもしれない。しかし、タチの悪いことに、実際の彼は非常に勤勉な男だった。日が昇る前に畑に出かけてゆき、日が落ちても月明かりの下で働く。それが祖父の生活であった。それほどまでに必死で働いていながら、家庭にはまるでお金を入れない。奇妙な生き方だ。 祖父はいったい何のために働いていたのだろう? 母の話によれば、祖父は畑仕事で得たわずかな利益の全てを
1: 名無しさん@実況は禁止です@\(^o^)/ 2015/12/15(火) 04:15:18.119 ID:rRx2D8L8a.net
物語 | 14:53 | 本を読むのが好きな子供だった。友人はいなかったが、それをさびしいと思ったことはない。世界にはぼくの知らないことが無数にあったけれど、一歩図書館へ入り手を伸ばせば、そこにはすべてに対する答えが、あるいは答えを求めるための手がかりが記された本があった。身体の弱いちっぽけな子供だったけれど、他のどの子供も体験したことのないような冒険に、ぼくは頁を開くだけで旅立てるのだった。学校でも家でも、暇さえあれば本を読んでいた。たまに裏山をひとりで散歩することもあったけれど、見たことがない植物や昆虫をみかけたり、あるいはその生態などにふと疑問がわけば、ぼくはすぐに家に戻り、父の書斎にある百科事典や図鑑でそれを調べた。大学へ進んでもぼくのそんな性格に変りはなく、ただ、知りたいことが増えるのと同時に手が届く本の数もまた一気に増えたことが純粋に嬉しかった。ぼくが本に関してある種の才能を持
異論は認めない。だいたいなんだってそうなのだ。「おうじゃのつるぎ」だの「はかいのつるぎ」だのといったような、伝説級の武具。それらは確かに格好いいかもしれない。しかしだ。それらを手に入れたとき、我々の心はほんとうにときめいているだろうか? だいたい、そんな大層な武器を手に入れたところでだ、我々にはどこにも行くところがないじゃないか。もう地図はほとんど埋め尽くしてしまっているころだし、呪文だってもう「ギガディン」なんて名前の、あからさまに最強くさいものを覚えてしまっていたりする。強力な武器や魔法を手に入れたところで、それを用いて闘う相手などいやしない。せいぜい魔王か、さもなれけばとってつけたような隠しボスが、倦み疲れた我々を接待してくれるだけだ。 もはやそこに冒険はない。 あるのはただ、憂鬱な義務感だけだ。 「はがねのつるぎ」には、そうした重たさはない。その切っ先が指し示す先には、ただただ限り
キーボードを、持ち歩く。 久しぶりに、スマホ用のキーボードを使ってブログを書いている。 いくつかキーが壊れてしまっているので買い替えないといけないのだが、壊れるくらいには使い込んでいたんだなと思った。 当時は、今のようにPCを普段から持ち歩くことが少なかったので、出先でもブログ…
(いつものよみもの) 四年ぶりの飛行場だった。 パパがまた転勤になった。ママは一週間で何もかもを箱詰めにする遊びに精神を冒された。弟は弟で、友達から借りていたゲームソフトをママにダンボールの奥底に封印されて壊れたスピーカーのようになっていた、そのダンボールはとっくにジョン・F・ケネディ空港を通過しているはずだ。あなたも遊んでないで早く荷造り終わらせて頂戴! しかし、あたしがとりたてて持っていこうと思えるものはそんなになかったのだ。お気に入りの服と鏡台とマンガ、服の中にどうせ反対されるキングサイズのテディベアを隠し入れて終了。さよなら幼いあたし。 本棚の上で埃を被っていた小さな森のなかまたちシリーズは隣のまいちゃんにあげた。小三の彼女はあたしの優秀で従順な妹分であった。「これいらないから、おねえちゃん行かないで! お願い!」あたしは爆笑をかみ殺すためにひどく歪んだ口元を隠そうと口を抑えざるを
織田信長 ぼちぼち、元気にやっています。少し薬にも慣れた...んかなぁ。相変わらず食べられないけど。朝、指がこわばって文字なんて入力できなかったけど、それはほぼなくなった。関節もどこも痛くない。薬効いてきたんやろな。 で、ブログを書こうと言う気がまた起きてきた。 …
はてなグループの終了日を2020年1月31日(金)に決定しました 以下のエントリの通り、今年末を目処にはてなグループを終了予定である旨をお知らせしておりました。 2019年末を目処に、はてなグループの提供を終了する予定です - はてなグループ日記 このたび、正式に終了日を決定いたしましたので、以下の通りご確認ください。 終了日: 2020年1月31日(金) エクスポート希望申請期限:2020年1月31日(金) 終了日以降は、はてなグループの閲覧および投稿は行えません。日記のエクスポートが必要な方は以下の記事にしたがって手続きをしてください。 はてなグループに投稿された日記データのエクスポートについて - はてなグループ日記 ご利用のみなさまにはご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 2020-06-25 追記 はてなグループ日記のエクスポートデータは2020年2月28
やまのあなたのそらとおくさいわいすむとひとのいうああわれひとととめゆきてなみださしぐみかえりきぬやまのあなたのなおとおくさいわいすむとひとのいう僕が諳んじられるほぼ唯一の詩だ。 隔週で通っている小説教室の課題をブッチしたまま二週間が過ぎていた。締め切りを破ることに関してだけは既に一人前である。折り悪く仕事の締めも重なり終電で帰宅してはキーボードを睨みつけ凍えた指で夜が白むまで一文字書いては二文字消す生活が続いていた。なんて言うと僕がストイックな文学青年みたいに聞こえてしまうけれども明け方までPCに向かったあとはいつも三時間だけ眠るつもりで昼過ぎまで眠りふざけた時間に出勤していたのだから終電で帰っているのも趣味みたいなものである。結局なんとか書きあがったのは教室当日土曜日の朝六時、凍りついたファクシミリの前で足踏みしながらプリントアウトを教室に送りつけそのまま凍りついた布団に潜り込みいやいや
タイトルはオノデラ先輩から貰いました。あの野郎ほんとタイトル付けるの上手いよな。ちょっと嫉妬でどうにかなりそうだったので下ネタ混ぜて台無しにしておいた。だって「きみとぼくの答え合わせ」だぜ。。。きみ/と/ぼく/の/答え合わせ。使われている単語はどれも普通の言葉だ。詩情に溢れるわけでもなければセンセーショナルでもない、誰の目にも留まらない路傍の石のような単語たちだ。なのにどうして、一体どうやったら、そんな単語たちからこうも僕の琴線を掻き鳴らすフレーズを産み出せるのか。こんなふうに褒め言葉を軽々しく口にしてしまうのは俺らしくないと思うかい? 我ながら最近の俺は相当ダメになってきている。やらなきゃいけないことが山積みなのに何にも手が付かなくて、ふっと気を抜くといつの間にか「何のために」とか「どうなりたいのか」とかそんな由無し事をつらつらと考えている自分に気付く体たらくだ。そろそろ潮時なのかもしれ
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