ここしばらく更新が滞っていましたが、次の単著に向け読むだけは大量に読んでいました。原稿を書きつつ雑事に追われつつなので間隔は遅くなるかと思いますが、またゆっくりとでも素晴らしい本の紹介をしていこうと思います。 + 今回はVRの始祖のひとりであるジャロン・ラニアーによる『万物創生をはじめよう』。タイトルから想像されるような、技術によって人間は神になり代わるのじゃ……的なお話ではなく、強い人間愛に貫かれたラニアーによる半自伝的な素晴らしいVR思想史です。これはほんとうに面白いので、特に近年のVRやメタバースなどの話題に関心のあるひとにお勧めです。物語としても技術史としても哲学書としても楽しく読めますし、興味さえあれば特に前提とされる知識も必要ないと思います(より詳しく知りたいという人向けの補遺もあり)。知っているとよりいっそう面白いことはたくさん書かれていて、何しろラニアーが出会うことになる人