「自分は何を根拠に、どんな理由でこの仕事をしているのか。46年間も自分の意思とは関係なく、何かに押し流されるように生きてきてしまった」。秋元康、63歳。作詞家、放送作家、プロデューサーとしてヒットを生み、社会現象を巻き起こしてきた。作詞を手掛けたシングルの総売上枚数は歴代日本一。今も毎日締め切りを抱え、3時間睡眠で仕事をする。めまぐるしい日々のなか、落ち込むことはほとんどない。秋元康とは何者なのか、本人に聞いた。(文中敬称略/取材・文:塚原沙耶/撮影:木村哲夫/Yahoo!ニュース オリジナル RED Chair編集部) 「自分は何者なのかが分からないし、何をしてるんだろうと時々思います。高校の時にアルバイトのつもりで放送作家を始めたところから、いつの間にか、それを生業(なりわい)としてしまった。何かこう、浅く腰掛けただけの人生のような感じがするんです」 肩書を書かなければならない時は「作