海洋観測や資源探査などを行う国立研究開発法人「海洋研究開発機構(海洋機構)」が、軍事利用の可能性のある技術研究の公募に、研究員が応募することを容認していたことが分かった。一九七一年の設立時は国会答弁で「防衛に関する活動は一切しない」としていたが、応募した研究は昨年九月に防衛省に採用された。機構は設立目的として法律に書かれた「平和と福祉の理念に基づく業務」の解釈を、非軍事から「国民の安全確保に資する活動」へと事実上変更した。(望月衣塑子) 公募は防衛省が昨年初めて実施。研究成果は軍事・民間両面での活用を見込み、採用されると年間三千万円の研究費が三年間提供される。全国の大学・研究機関から百九件の応募があり、九件が採用された。機構の研究員が応募したのは、水中での光通信を高速化、安定化する研究だ。