【アムステルダム=木村正人】オランダのバルケネンデ首相率いる中道左派連立政権がアフガニスタン派兵延長をめぐって崩壊し、8月に撤退を開始する見通しとなった。同首相は5月にも予定される総選挙で右翼政党との連立も視野に、なお派兵延長の道を模索するとみられる。米欧諸国はアフガン新戦略に基づき大規模増派を開始したばかりで、オランダが離脱すれば他の国々でも撤退を求める声が高まる可能性がある。 オランダでは昨年10月、連立を組む労働党などから出された「アフガンに派兵している約2000人を年末までに完全撤退する」との動議が採択されたが、同首相は北大西洋条約機構(NATO)から負担軽減を条件に来年8月までの派兵延長を求められていた。派兵延長をめぐる閣議は16時間に及んだが、20日に決裂。22日に同首相ら連立3党の党首がベアトリックス女王に拝謁、選挙管理内閣を設けて5月か6月に総選挙を行う見通しとなった。 同