7月18日、北京で開催された三中全会(中国共産党中央委員会第三回全体会議)は幕を閉じ「公報」が出された。その軸にある《中共中央关于进一步全面深化改革、推进中国式现代化的决定》(改革をいっそう全面的に進化させ、中国式現代化を推進することに関する中共中央の決定)(以下、「決定」)の具体的内容はまだ公表されていない。三中全会で可決したのはその「討論稿(「決定」草案)」だ。やがて「決定」の「正式版」が公表されるだろうが、しかし、その公表を待つまでもなく、「公報」の中に滲み出ているいくつかのキーワードは習近平が秘かに進めている「中国経済のパラダイム・チェンジ」への「相転移」を示唆している。 「相」というのはphase(フェイズ)のことで、物理学ではたとえば(非常に簡単な例をとれば)気体(気相、gas-state)が液体(液相、liquid-state)になり、液体が固体(固体相、solid-stat